あなたは最近、仕事で「考える」ことが増えていませんか？ 新しい商品やサービスの企画。販売や宣伝の立案。マネジメント、採用、組織運営の戦略など。従来の方法が通用しなくなったいま、あらゆる仕事で「新しく考える」ことが求められます。でも、朝から晩まで考え続けた結果、何も答えを得られずに1日が終わる――そんな経験のある人が多いのでは。
「その悩み、一瞬で解決できます」。そう語るのは、グーグル、マイクロソフト、NTTドコモ、富士通、KDDIなどを含む600社以上、のべ2万人以上に発想や思考の研修をしてきた石井力重氏です。古今東西の思考法や発想法を駆使して仕事の悩みを解決してきた石井氏ですが、なんとそのほとんどはAIで実行できたと言います。そのノウハウをまとめたのが、書籍『AIを使って考えるための全技術』。この記事では同書から、AIを使って「思いつきの詳細を具体化する」ための技法を紹介します。
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アイデアは「1行」では伝わらない
ほとんどの場合、ひらめいた瞬間のアイデアはワンワード、あるいは1行程度だったりします。「肩こりに効く炭酸飲料！」みたいな。
でも、その1行を聞いただけでは、そのアイデアが意味するところをすべて理解・把握はできません。情報量が少ないため、その1行あるいはワンワードに込められた発案者の意図を読み取りきれないこともあります。
もう少し具体的にアイデアを記述した方が、相手もアイデアの内容を把握しやすくなり、ディスカッションするにも好都合。評価もしやすくなります。
ところが、アイデアを発案した本人でさえ、まだ全貌は見えていない。そんな状況がほとんどです。
「タイトル1行＋解説3行」でアイデアを具体化する
そこで、私のワークショップや研修の場では、アイデアを具体化するワークを行っています。
それが「アイデアスケッチ」。本書の監修者である加藤昌治さんが著書の中で紹介して有名になった手法です。
思いついた1行アイデアを、「タイトル1行＋解説3行程度」で1枚のシートに描きます。アイデアの一言表現である「タイトル」をシートの中央に大きく1行で書き、そこに下線を1本ぐいっと引いて、その下にアイデアの中身を3行程度で描きます。
人間の感じる「今」というのは3秒だそうです。まずはタイトルに目が行き、3秒でアイデアの概要が把握できる。そして、タイトルが面白そうであれば中身も見るという流れ。中身の説明も、小さい字でダラダラと書かずに3行でまとめることで、1枚（1案）あたり10秒ちょっとでアイデアの概要をつかめるようにします。
アイデアの発案者としては「ひらめいた！」となった、1行だけ、一言だけのアイデアの骨子が明確になり、他の人に説明できるようになります。
他に、自分の中でもまだまとまっていないモヤモヤしているアイデアのタネのようなものを、「アイデアスケッチ」でまとめる使い方もあります。タイトル＋3行に整理することで、アイデアの詳細が言語化され、数秒で理解できる形に整理されていきます。あなたのアイデアをズバリと伝えたいときに便利なのが「アイデアスケッチ」なのです。
1行アイデアをAIでわかりやすくする技法「アイデアスケッチ」
この「アイデアスケッチ」、もちろん人力でやってもよいのですが、「タイトルを考えるのが難しい」「アイデアを3行でどう説明したらいいかわからない」という人もいるかもしれません。
そこで、この「アイデアスケッチ」をAIに実行させるのが、その名もズバリ、技法「アイデアスケッチ」です。そのプロンプトが、こちら。
〈アイデアを出したスレッドに続ける、もしくはアイデアを記入する〉
このアイデアを「アイデアのタイトル1行」および「アイデアの詳細内容3行」という形式で記述してください。誰向けの、何で、狙いは何かが、なんとなくわかるようにしてください。方向性を大きく変えて3パターン書いてください。
AIにざっくりとしたアイデアを投げて、「誰に」「何を」「どんな狙いで」を補足してもらいます。この段階でアイデアの詳細を10ページも20ページも書く必要はありません。その作業はもっと後工程でかまいません。ひとまずアイデアの核となる要素がつかめるようになればOKです。
プロンプトでは、「方向性を大きく変えて3パターン書いて」と、欲張りな指示もしています。自分が気づいていないアイデアの価値をAIが引っ張り出してくれることを期待してです。その他、プロンプトの工夫としては、アイデアスケッチが堅くなったりマンネリ気味になったりするのを防ぐため、「なんとなくわかるように」という柔らかめのテイストになっています。
（本稿は、書籍『AIを使って考えるための全技術』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。書籍では、こういった「AIを使って考える」ための56の方法を紹介しています）
■ダイヤモンド社の新刊
「最初の一歩を踏み出せない人には、この本が“AIとの対話”を始めるきっかけになると思います」
――ハヤカワ五味――
「思考や発想の技術を紹介した『考具』って本がめっちゃ好きなんですけど、まさにそれのAI版ですね。これも買います」
――けんすう（古川健介）――
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分析、発想、発展、具体化、検証、予測……
「深く考える」ためのAIの使い方!!
『AIを使って考えるための全技術 ―「最高の発想」を一瞬で生み出す56の技法』石井力重（著）、加藤昌治（監修）、682ページ
『AIを使って考えるための全技術』とは？
AIを、仕事の効率化や自動化に使うだけではもったいない。
頭のいい人は、AIを使って「能力以上の答え」を手に入れています。
「斬新な発想がほしい」
「ひと言のアイデアを膨らませたい」
「思考の弱点が知りたい」
「ビジネスの売上を予測したい」
「前例のない課題を解決したい」
「難易度の高い悩みを解決したい」
「ユーザーの本音を知りたい」
…などなど。
仕事も、日常も。あらゆる「考えること」に役立つAIの使い方を56個紹介。
この本が、あなたの人生から
「悩む時間」を消し去ります!!
本書の目次
序章 「AIを使って考える」とは？ ―チュートリアル
1部 すぐにアイデアがほしいとき
第1章 「AI特有の力」で考える
第2章 「自由な発想」で考える
第3章 「ロジカルな発想」で考える
2部 アイデアを磨きたいとき
第4章 考えを「発展」させる
第5章 考えを「具体的」にする
第6章 考えを「検証」する
3部 アイデアを実現したいとき
第7章 アイデアの「伝え方」を考える
第8章 アイデアの「実行策」を考える
4部 考えるヒントがほしいとき
第9章 「課題」を分析してヒントを得る
第10章 「悩み」を分析してヒントを得る
第11章 「人」を分析してヒントを得る
第12章 「未来」を予測してヒントを得る
最終章 「技法」を使いこなす ―ケーススタディ
