「おはしを正しくもつ」「自分で歯を磨く」「整理整頓をする」「ありがとうを伝える」…など、小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを紹介した書籍『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』が発売された。
「小学校入学準備にぴったり」「生活の基本でありながら、これまでどう教えればいいのかわからなかったので助かる」「一生使える知識やマナーが学べる」など多くの口コミが寄せられている。
本書では、生活のきほんや言葉づかい、心の守り方、学校での過ごし方まで子どもたちの毎日に欠かせないテーマを幅広く網羅している。本記事では、その中から親が教えておくべきおやくそくを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・佐藤里咲)
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旅館で「これはすごい」と思ったこと
「この子にとっては当たり前かもしれないけど、すごいな」
以前、旅館に泊まったときに印象的だったことがある。
夕食の時間になり、大広間の食事会場へ向かったときのことだ。
その旅館は畳の会場だったため、入り口で靴を脱ぐ形式になっていた。
その日は宿泊客も多く、入り口にはたくさんの靴が並んでいた。
脱ぎっぱなしの靴もあれば、向きがバラバラのものもある。
そんななか、小学校低学年くらいの男の子が、脱いだ自分の靴をしゃがんでそろえ始めた。
しかも、ただ並べるだけではない。
次に履きやすい向きに、きちんとそろえていたのだ。
すると、あとから来たお母さんが、特に大げさに褒めるわけでもなく、自然にこう言った。
「そろえられたね」
男の子も、「うん」とだけ答えて、そのまま会場へ入っていった。
ほんの数秒の光景だったのだが、私は妙に印象に残った。
おそらく、あの家では「靴をそろえる」が、“特別なマナー”ではなく、当たり前の習慣になっているのだろう。
実際、外出先では、こういう小さな行動ほど、その人の“育ち”が出るものだと思う。
どんなときでも靴をそろえよう
小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを学べる本『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』には、「くつをきれいにせいりしよう」という項目がある。
『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用拡大画像表示
① ぬいだ くつは そろえよう。
② ドアの ほうに つまさきを むけるよ。
③ はかない くつは げたばこに しまおう。
④ よごれた くつは よけておいて あとで あらおう。
(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用)
脱いだ靴をそろえるという行動は、「使ったものを整える」「次の人が気持ちよく使えるようにする」という感覚を養える習慣だ。
そして、こうした“小さな整え方”は、外出先ほど差が出る。
ふとした瞬間に、その人が普段どんな習慣のなかで育ってきたのかが見えてしまうのだ。
だからこそ、「くつをそろえようね」という声かけは、単なるしつけではない。
“自分だけで空間を使わない感覚”を育てる、大切な習慣なのだと思う。









