米国はかねて欧州の同盟諸国に対し、自国防衛のための支出を増やすよう求めてきた。今週開かれた北大西洋条約機構(NATO)首脳会議での驚くべきニュースは、ほぼ全加盟国がそれに同意したことだ。各国の国内総生産(GDP)に占める国防費の割合を、現在の目標値である2%以上から5%に引き上げることで合意した。ドナルド・トランプ米大統領は、NATOのこの計画を「欧州にとって、そして西側の文明にとって重要なものだ」と評価した。今回の同氏の発言は誇張ではないかもしれない。同盟諸国は2035年までに各国のGDPの3.5%を実戦的な軍事力に投じることを目指す。残る1.5%分はサイバー攻撃対策の強化など、補助的ではあっても有用な投資に振り向ける。