写真はイメージです Photo:PIXTA
サウナであじわう、深いリラックスと高揚感に包まれるあの感覚。いわゆる「整う」を求めて人は熱気の中へと向かう。しかしその裏で、体にはある“異変”が起きている可能性がある。数多くの異状死体を見てきた筆者が、そのリスクを語る。※本稿は、法医学者の高木徹也『私たちはなぜ死ぬのか 法医学者が語る「永く、よく生きるための技術」』(CEメディアハウス)の一部を抜粋・編集したものです。
サウナで人はなぜ死ぬのか
そのとき遺体はどうなるのか
サウナブームが続いています。日本では80度以上のサウナ室で身体を温め、その後、冷たい水風呂に浸かることをくり返す「温冷交代浴」が一般的です。温熱効果による血管の拡張と血流の活性化、心肺機能の向上など、サウナの効果はいろいろとあります。
ただ、サウナがきっかけとなって亡くなる人がいるのもまた確かです。サウナブームになって、サウナで亡くなる人が増えたという実感はなく、そのようなデータもありません。
ただ、昔からサウナで亡くなる人はいて、私もこれまでに何人か解剖したことがあります。サウナで亡くなる方の死因はさまざまですが、多いのは虚血性心疾患、不整脈、脳血管疾患です。
サウナや浴室といった高温環境下では、血管は拡張し、血圧は低下します。血圧が低下すると、自律神経の一種である交感神経が働いて心拍を速め、心臓の酸素需要量が増加します。心臓の冠状動脈に硬化症がある人は、このような状況では酸素の供給が間に合わず、虚血性心疾患を発症しやすくなるので特に注意が必要です。
また、高温環境から急に水風呂などの低温環境にさらされると、今度は血管が急激に収縮し、脳血流が増加します。







