スマホ・テレビ・ゴシップ……日常生活の99%はムダだらけ。しかし、ムダを捨てるためにいくら効率を良くし、生産性を上げても、他人の期待に応えているだけで、自分のためになっているわけではない。「依存のプロ」GoogleとYouTube出身の著者が生み出した、自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」とは? 27言語で刊行され、世界で累計30万部を突破している『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに解説する。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

仕事ができる人の共通点。三流は「毎日少しずつ」、二流は「コツコツ続ける」、では一流は?Photo: Adobe Stock

頑張ってはいるのに、成果に繋がっていない気がする

 数週間、数か月、同じような仕事や作業を続けているのに、なぜか「前に進めている実感」がない。
 毎日やっているはずなのに、「これ、本当に意味あるのかな」と不安になる。

 がんばっていないわけではない。手を抜いているわけでもない。
 でも、目に見える成果が出ない。
何も終わらないまま時間だけが過ぎていく。

 私もそんな経験を何度もしてきた。

 同じことを毎日少しずつ続けるのは、間違っていない。
 むしろ多くの人にとって、それが王道のはずだ。

 しかし、何週間も、何ヶ月も、コツコツ続けているのに、手応えがない……。そんなとき、一流はどうしているのだろうか。

「ひとりスプリント」という突破口

 タスクを分散してちょっとずつ進めることは、効率的なようでいて、実は思った以上にエネルギーを奪っている。 

 そんな日々を抜け出すには、「ひとりスプリント」をするという戦術が効果的だ。

戦術:「ひとりスプリント」をする
数日間、同じプロジェクトにぶっ続けで取り組む
――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より

「ひとりスプリント」とは、短期集中で1つのプロジェクトや課題に深く没頭するための期間を、自分ひとりで意図的に設定する方法だ。

仕事ができる人の共通点。三流は「毎日少しずつ」、二流は「コツコツ続ける」、では一流は?イラスト:docco

 上の図のように、数日間だけ、そのプロジェクトのことだけを考え、手を動かす

 それ以外の仕事は最低限にとどめる。
 スプリント中は「1本勝負」が肝になる。

スプリントを成功させるには

 スプリントを成功せるには、いくつか重要なステップがある。

ステップ①:テーマを1つに決める
 たとえば「新商品企画書を仕上げる」「note記事10本を書く」「動画編集のスキルを集中的に学ぶ」など。

ステップ②:日数と目標を決める
「木~土の3日間で30%進める」など、無理のない達成可能なゴールを設定する。

ステップ③:周囲に宣言、予定に組み込む
 できれば誰かに「今週はこれに集中する」と宣言しておくと、より実行しやすい。

ステップ④:スプリント後にふり返りをする
 何ができて、何が進んで、何が残ったかを整理し、次につなげる。

 上記の手順で取り組むと、日常により深い集中を取り戻すことができる。

日が変わっても同じ情報がメンバーのワーキングメモリに保持されているから、課題をどんどん深く掘り下げていける。
おかげで同じ時間を数週間、数か月間にわたって費やすよりも、ずっと大きな成果を挙げられるのだ。

――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より

 毎日コツコツと進めるスタイルが合う人もいるだろう。
 しかし、一度に深く潜って集中することで、ようやく前に進み出すタイプの仕事もある

 プロジェクトの構想をまとめるとき。
 0から1をつくるとき。
 新しい習慣を始めたいとき。

 そういう場面では、「今日はここだけ」「今週はこれだけ」と決めるスプリントが、とてつもない突破力を生む

成果が出ないのは、能力の問題ではない

 成果が出ないのは、能力の問題ではなく、“集中する形”が合っていないだけだ。

 だからこそ、「ひとりスプリント」が重要になる。
 まずは週末の2日間でもいい。金曜の午後から月曜の午前まででもいい。

この3日間は、他のことは考えない。そのかわり、これだけは進める」

 そう決めた瞬間に、頭と心の雑音もとっぱらえて、驚くほど集中できるようになる。

(本記事は、ジェイク・ナップ ジョン・ゼラツキー著『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに作成しました。)