名門大学への進学で得られる本当の特権
――なるほど。ただ、そういった学歴目的ではなく、「やりたいこと」が明確な子を拾うのも大学の大きな役割ですよね?
びーやま:そうですね。むしろそこは一丁目一番地だと思います。
だから、大学も総合型選抜入試などをはじめているのではないでしょうか。これは、会社の入社試験のように志望動機などをしっかり見られますし、大学によってはプレゼンやディスカッションを必須としているところもありますからね。当然学力も求められますし。
なので、なんだかんだバランスは取れていると思います。
――よく理解できました。びーやまさんなりに「いい大学にいく意味」ってなんだと思いますか? 大学はたくさんあるなかで、わざわざ難関大を選ぶ意味を教えてください。
びーやま:2つあると思っていて、1つはいい大学に行くことが社会的信頼を得る方法だからです。
「無名大学」と「東京大学」だったら、どちらが勉強を頑張ったかは一目瞭然ですし、それだけで頑張れる人だとまずは仮定することができます。もちろん、断定はできないところもポイントですが。
なので、自分が「頑張れる人」であることを証明するためにも、少しでもいい大学に入っておきたいというのは当然のことかと思います。
賛否はあるとは思いますが、少なくともそういう社会をつくっているのは大人なわけで、受験生のせいではないなと。
――もう1つはなんでしょうか。
びーやま:レベルの高い環境に身を置けることです。やはり、いい大学に行けば行くほど、まわりにいる人たちの質は上がります。僕は名門大学に行く本当の意味はこれなんじゃないかとずっと思っています。
いい大学にいくと、自分よりすごいと思える人や自分もこうなりたいと思う人がたくさんいるんですよね。そのため、大学合格という結果にうぬぼれずに成長できるんじゃないかなと。
よく、「東大に受かっただけで偉いと思っているのか!」みたいな大人がいるんですけど、東大生が一番そんなこと思っていなくて、本人たちに取材をすると「学内にはすごい人がたくさんいて刺激になります」みたいなことばかり言うんですよね。その本人もかなりすごいのにです。少なくとも「東大生って偉いですよね」みたいな人はごく稀です。
その度に、頭のいい人たちはこうやって刺激を受けあっているんだなと感じますし、僕も早稲田ですけど、茨城の田舎から上京して、それまでの自分が井の中の蛙だったことを思い知りました。
こういった経験ができるのは自分よりすごい人に出会いやすい名門大学の特権だと思います。
――たしかにそれはいい大学に行くことの特権かもしれないですね。
びーやま:そうですよね。もちろん、名門大学以外や大学の外にもにもそういった出会いはあります。ただ、その確率を高めてくれるのが名門大学かなと個人的には思うところです。
いずれにしても、どんな理由であれ、いい大学を目指せる環境にある人は、素直にそのまま上を目指すのがいいんじゃないかと思います。最初の理由は大きなものでなくとも、入ってみれば「このために入ったんだ」と思える瞬間はありますから、学歴目的でもやりたいこと目的でもいいので、まずは目指すことからはじめてほしいです。
――ありがとうございました。
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。
高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。