「どうしてあんなヤツが評価されるんだ…!?」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

「天気の話」が役立つ理由
みなさんはいつも、お客さんと会うときに何を話しているでしょうか。「営業トークの基本は天気の話から!」という説明をされることもあったのではないかと思います。
僕もメガバンクに入りたての新人の頃に研修でそのように習ったのでアイスブレイクの話題として何の疑問もなく使っていました。「いきなり商談に入るより当たり障りのない話題から入ることが大事」みたいなロジックで説明されていることが多いです。
しかし、実は「天気の話」は、非常に有用だと僕は考えています。
今回はその理由について考えていきましょう。
「相手を知る」ための天気の話題
例えばあなたが自社の商品を勧める時、どちらのほうが成功率が高そうでしょうか。
B:全く知らない初対面の人に提案する
Aのほうが成功率が高いと思いませんか。お客さんを理解していると、「どんな悩みがありそうか?」のイメージもしやすくなりますよね。
では「どうやってお客さんのことを知っていくのか」。ここで、天気の話が役立つのです。
アイスブレイクは面白すぎてはいけない
天気の話の本質は「その適度なつまらなさ」。そして「どんな話題へも転換可能な使い勝手の良さ」です。
たとえば、「最近ずっと熱いですね。御社だと、夏になるとどのような事業にどのような影響があるのですか?」のようにビジネスの話題へ転換できます。
他にも、「夏だと、社内でイベントがあるのですか?」もしくは「ご家族とどこかに出かける予定はありますか?」のように、プライベートの話題もさりげなく聞き出すことができます。
もちろん別に必ず天気の話を使わないといけないわけではありません。しかし、その話題自体の「つまらなさ」とその後の「汎用性の高さ」を兼ね揃えている話題があまりほかにはないというのが、天気の話が重宝される理由です。したがって僕は、天気の話は営業トークにおける「高コスパな魔法の話題」だと考えて、使うようにしています。
みなさんはいつも、「雑談」は何から始めているか、ぜひ考えてみてください。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)