米トランプ政権との交渉が大詰めを迎える中、欧州の結束が試されている。欧州連合(EU)と米国は少しずつ通商合意への歩みを進めている。交渉は大筋でまとまりつつあるが、EUにとって厳しい譲歩が含まれており、合意は確実ではない。ドイツなど輸出主導型経済の国々は、米国の関税による経済的損失を抑えるため、早期の決着を唱えている。フランスなど他の国々も合意は望むとしているが、米国の要求により強く抵抗する姿勢を打ち出している。事情に詳しい関係者によると、どのような合意であったとしても、欧州製品の大半に対する10%の関税は維持される見通しだ。すでに自動車への25%、鉄鋼への50%の分野別関税に直面するEUが、仮に両分野で軽減措置を受けられるとしても、それがどのようなものかは不明だという。
対米交渉大詰めのEU、試される結束
合意条件によっては加盟各国への恩恵に差が生じ、分断を引き起こしかねない
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