小学校受験はもう“上流のもの”じゃない…共働き世帯が選ぶ3つの納得理由とは写真はイメージです Photo:PIXTA 

近年、私立小学校の受験者数が増えている。共働き家庭でも参入する人が増えた背景には、3つの社会的背景があるだろう。今回は、中学受験との比較や、インターナショナルスクールの受験にも触れつつ実態を解説する。「10年、20年先の社会の変化」を見据えた子どもの教育ついて、幼児から高校生まで教える人気学習塾「VAMOS」の富永雄輔代表が解説する連載第18回。(進学塾VAMOS代表 富永雄輔、構成/ライター 奥田由意)

もはや私立小学校は
高嶺の花ではない

 かつて私立小学校受験といえば、経済的に余裕のある一部の「上流」層だけのものだと思われていました。しかし、現在ではその状況が大きく変わりつつあります。

 何と言っても、「ダブルインカム、ワンチルドレン」と呼ばれる共働き・一人っ子家庭が増え、そうした家庭が子どもの教育に投資する余裕が出てきたことで、私立小学校受験の裾野は大きく広がっています。

 都内の私立小学校といっても、慶應義塾幼稚舎のような超名門伝統校だけが注目されるのではなく、各学校の個性や特色が重視されるようになりました。

 例えば、洗足学園小学校は中学受験者が多いという特徴があり、聖徳学園小学校は知育教育に力を入れ、東京農業大学稲花小学校は自然とのふれあいを大切にするなど、学校ごとの独自の魅力が認知されています。

 以前は、専業主婦家庭でなければ私立小学校の受験は時間的に難しいと思われていましたし、小学校の側も「専業主婦の家庭にだけ来てほしい」と思っていたふしもあったかもしれません。しかし今では、時代の変化に合わせて共働き家庭も積極的に受け入れる私立小学校が増えてきています。

 加えて、昔は私立小学校の受験情報は、あまり表に出てくることはなく、そのメリット(あるいはデメリット)もあまり一般には知られていませんでした。それが、近年ではどの学校も情報公開が進んでいます。比較検討という面でも、保護者が学校を選びやすくなっています。