【中学受験】「御三家が衰退した?」それ、全くの誤解です→SAPIXの合格者減に“踊らされる人”たちに言いたいこと向かって右から渋田隆之先生と富永雄輔先生 撮影:加藤昌人

塾業界30年以上のベテランであり、神奈川県の中学受験国語塾「中学受験PREX」の渋田隆之塾長と、吉祥寺など都内5箇所に教室を持つ人気学習塾「VAMOS」の富永雄輔代表による全6回の初対談。第1回は「2025年の中学受験と近年の傾向」を改めて振り返ってもらった。(国語専門塾の中学受験PREX代表、教育コンサルタント・学習アドバイザー 渋田隆之、進学塾VAMOS代表 富永雄輔、 構成/ライター 奥田由意)

2025年入試の振り返り
「家庭主導の学校選び」が盛んに

富永:渋田先生は中学受験に関わる業界の大先輩です。いつも記事や発信される情報を拝見しており、今日は初めて対談させていただけるということで、楽しみに参りました。よろしくお願いいたします。

渋田:こちらこそいつも記事を拝読して、膝を打っております。どうぞよろしくお願いいたします。

 早速、1つ目のテーマ「2025年入試の振り返り」ですが、「少子化の影響はそこまで大きく出ていない」ということと、「学校選びの傾向がかなり変わってきた」という2点が印象的でした。

富永:次の入試である26年入試に生かすとどう変化するとみていますか。来年は2月1日が日曜日に当たり、「サンデーショック(※)」があると話題になっていますよね。

※2月1日が日曜日に当たる場合、ミッション系の中学が入試日程をずらすために、全般的な入試スケジュールに影響が出る現象をサンデーショックという。2026年2月1日は日曜日のため、サンデーショックに準じる影響が取り沙汰されている。

渋田:実は私は、サンデーショックに関しては、そこまで大きなインパクトが起きるとは思っていません。

 今の保護者は10年前とは全然違い、塾よりも「情報」を持っているケースが増えてきています。昔は塾が「この学校を受けましょう」と勧め、それに従う人も多かったのですが、今は塾主導ではなく、保護者主導、家庭主導の受験になってきています。

「サンデーショック」と騒いでいるのは、そういう時代の変化を見ていない人たちだと思いますね。