Photo by Masahiro Ariga
革新と自由を愛する
芸術の都バルセロナ
Photo by Masahiro Ariga
10世紀後半~18世紀前半の中世の時代、カタルーニャという独自の国の首都であったバルセロナは、西洋やイスラムから新しい文化を取り入れることで発展した。そのため、バルセロナには今でも革新と自由を愛する気風が漂っている。
こうした気風が影響して、バルセロナの街はさまざまな革新的アーティストを世に生み出した。ピカソやミロといった画家のほか、建築家アントニオ・ガウディもそのひとり。ガウディの代表作であるサグラダ・ファミリア聖堂こそは、バルセロナの気風が生み出した革新的なアートの最たるもの。現在、世界で最も有名な建物のひとつであるこの教会は、従来の教会建築のデザインとは一線を画す。
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2010年、サグラダ・ファミリアはひとつの大きな節目を迎えた。それは、内装が完成したことだ。同年11月7日にはローマ法王が同地を訪れ、正式にバジリカ(聖堂)に認定された。かつては雑然とした工事現場のようだった内部は、今は整然と整えられ、キリリとした厳粛な空気が漂っている。祭壇はきらびやかなステンドグラスに覆われ、差し込んだ陽光が虹色に変化する様子は圧巻のひとこと。