
「ネガティブな発言ばかり」「言ったことをやらない」……問題のある部下を持ったとき、上司はどうすればいいのだろうか。対処を誤ると、組織全体が大きなダメージを被ることになる。(山田進太郎D&I財団COO 石倉秀明)
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「問題のある部下」を
放っておくとどうなる?
管理職や経営者として日々仕事に従事している読者も少なくないだろうが、そんなリーダーの頭を悩ませる問題の1つが、部下への接し方ではないだろうか。
モチベーションにあまり左右されず淡々と自分のやるべきことをやってくれたり、日々のコミュニケーションが問題なくとれたりする部下であれば悩む必要はないが、問題のある部下がいた場合の対処に苦労している人もいるかもしれない。
ここでいう“問題のある部下”というのは、「会社や同僚のネガティブなことを言い続ける」「報連相をしてこない」「言ったことをやらない」などの問題のある行動で周囲に迷惑をかけているタイプの部下のことだ。
もちろん注意すべきなのだが、あまり強くいうと逆にパワハラで訴えられる可能性もあり、やんわりとしか注意できないという人も多いのではないだろうか。
今回は、こういった問題のある部下に対してどういった処置をすべきなのかを、有名な研究をもとに紹介していきたい。
その研究をまとめた論文のタイトルは、「How, When, and Why Bad Apples Spoil the Barrel: Negative Group Members and Dysfunctional Groups」。タイトルにある“Bad Apple”とは、悪い行動をする社員(つまり問題児)のこと。日本では、こうした問題児を「腐ったミカン」と表すことがあるが、これと同じである。論文では、Bad Appleがもたらす影響とその対処法が書かれている。
では、問題のある社員は、周囲にどのような影響をもたらすのか。またリーダーたちは、どのように対処すべきなのだろうか。