「この本のおかげで出世できた」「チームのパフォーマンスが上がった」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』『パーフェクトな意思決定』シリーズ四部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。今回は、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方を指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

なぜ始めたのに前に進まないのか?
プロジェクトは立ち上がった。
人もアサインした。
キックオフも済んだ。
それなのに、程なく停滞。期日がズレ、手戻りが連鎖し、誰も全体像を説明できない。
こうした「回らない組織」には、立ち上げ段階でほぼ必ず共通する落とし穴があります。
初期設計での線引き不足です。
初期のミス:目的と完了条件が定義されていない
「まず動こう」で走り出し、目的が人により異なるまま進行すると、途中で齟齬が起こります。
・この仕事は何を達成すれば完了か?
・成果物は誰が、いつ、何に使うのか?
この2点を文章化せずに開始すると、その解釈に時間が奪われます。
開始前に「目的の一致」や「完了の基準」を必ず決めておくべきです。
初期のミス:責任者が曖昧
特に、工程が部門をまたぐときに、「どこで責任が切り替わるか」が決まっていないケースは危険です。
それを決めずに走り出すと、必ず「抜け漏れ・属人化・責任不明」が発生します。
スイムレーン表+ハンドオフ条件を作るだけで、止まりや手戻りは激減します。
「このくらいでできるはず」と感覚で見積ると、必ず遅延します。
責任者を決めて、進捗を可視化させましょう。
数値のない進行管理は管理とは呼べません。
仮面をかぶって、入口設計をやり直しましょう
本音では、「早く動きたい」「細かい定義は後で」と思うかもしれません。
しかし、焦って走り出したプロジェクトには後半の修正コストが発生します。
感情を脇に置き、仮面をかぶって責任者や数字を先に決める。
それが、仕事を回していく最短ルートなのです。
(本稿は、『リーダーの仮面』の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計170万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。