精神医学と行動科学の
研究成果を簡潔な物語に
本書では、二人の著者それぞれの専門分野の知見が、シンプルな原則に反映されています。ケン・ブランチャードは行動科学、スペンサー・ジョンソンは精神医学の研究に基づき、「気分のよい部下は、よい成果を生む」という実践真理を提起し、部下が自分に対して気分よくなれるようサポートすることがマネジャーの大きな役割であることを、物語を通して教えてくれます。
ケン・ブランチャードの『ザ・ビジョン』や『ケン・ブランチャード リーダーシップ論[完全版]』の訳者、田辺希久子氏によれば、ブランチャードの物語には以下のような特徴があります。
登場人物は私たちの身近にいそうな、具体的な生活臭や現実味をもった人物ではありません。むしろ、私たちのもつ悩みや、私たちのもつ希望や意志をシンボリックに体現する存在です。だからこそ、私たちは本書を読みながら、主人公やその周囲の人々に、自分自身を重ねあわせることができるのです。(『ザ・リーダーシップ』訳者あとがき 155ページ)
2012年12月刊行。「1分間シリーズ」のすべてが詰まった、まさに集大成の一冊。
シンボリックに描かれているために、国や文化、性別、年齢に関係なく、誰もが「自分のこと」として読み、「自分も1分間マネジャーになろう!」と力づけられるのだと思います。
『1分間マネジャー』は世界で1300万部を超えるベストセラーとなり、その大成功を受けて『1分間リーダーシップ』『1分間顧客サービス』など、「1分間シリーズ」が次々と刊行されました。
シリーズ中、日本語版のいくつかは絶版となり入手困難ですが、ケン・ブランチャードと共著者たちの多くが参加して執筆した集大成、『ケン・ブランチャード リーダーシップ論[完全版]』を読んでいただくと、その思想の全貌をご理解いただけると思います。
次回は6月13日更新予定です。
◇今回の書籍 18/100冊目
『1分間マネジャー 何を示し、どう褒め、どう叱るか!』
そんなにお手間はとらせません。1時間もあれば十分。そしてすぐに実行できる1分間の秘訣が3つ。効き目が持続するマネジメントの極意。ビジネスでも家庭でも、いつでも誰でも使えます!
K・ブランチャード、S・ジョンソン著
小林薫訳
定価(税込)1,223円
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