「懇親会よりサッカー観戦」部下の発言に無印良品トップがブチギレ→危機からV字回復した意外な出発点松井忠三氏(2001年撮影) Photo:JIJI

ビジネスの世界で、最強のチームを作りたい――多くのリーダーが抱く夢だ。しかし、どうやったらそれができるのか。最強の企業というと、今ならGoogleを思い浮かべる人も多いだろうが、その生産性の高いワケを分析すると、日本のある企業と共通点が見えてくる。(イトモス研究所所長 小倉健一)

Googleが調べた「生産性の高いチームの共通点」

 シリコンバレーの巨人、Google。世界中の知性が集まるこの企業は、かつてある壮大な実験を行った。

 コードネーム「プロジェクト・アリストテレス」。プロジェクトの目的は「生産性の高いチームの共通点」を見つけ出すことで、Googleは社内の180ものチームを対象に、徹底的なデータ収集を行った。

 生産性が高いワケは個人の能力か、性格の相性か、カリスマ性か――。膨大なデータを解析した結果、導き出された結論は、多くの予想を裏切るものだった。

《研究チームは、チームの有効性に実際に重要だったのは、『誰がチームにいるか』ということよりも、『チームがどのように協力しているか』であることを突き止めた》
《心理的安全性:強固なチーム文化は、対人関係のリスクを取ることに対する各メンバーの認識の結果と相関していた》(Googleのレポート「Understand team effectiveness」 より)

 心理的安全性というのは単に「メンバーの仲が良い」ということではない。「このチーム内なら、何を言っても馬鹿にされない」「拒絶されない」という確信がある状態のことだという。例えば、「無知だと思われる不安を感じずに質問ができる」ような状態だ。

 Googleが発見したのは、個人の資質ではなく、恐怖や不安という「阻害要因」が取り除かれているかどうかが生産性に大きく影響するという事実だった。

 人間は、恐怖を感じると萎縮し、パフォーマンスが落ちるものだ。上司の顔色を伺うことに脳の処理能力を使えば、仕事への集中力は削がれる。

 だからこそ、Googleは忖度などといった不確定な要素を排除し、誰もがアクセルを全開に踏める「安全な道路」を整備したのだ。

 この合理主義は、実は日本の小売業の現場でも実践されていた。