セブンイレブンPhoto:SOPA Images/gettyimages

海外から日本を訪れる富裕層の中には、日本人でも知らない店に行きたがる“日本通”が少なくない。彼らはどうやって知る人ぞ知るスポットの情報を入手しているのだろうか。そこには独自の情報網があった。一方で、日本人にもなじみのある庶民派のチェーン店が大人気という側面も。富裕層が行きたがる「意外な場所」について見ていこう。(ライター・通訳案内士 矢吹紘子)

日本通の海外セレブやVIPが
仲間内で共有するマル秘リストとは?

 グローバル企業のトップやセレブリティー、アーティストやエンタメ業界関係者など、旅行業界でいうところの“VVIP”旅行者は横の繋がりが強く、信頼できる出所からの情報を何よりも重視します。旅の目的地選びはもちろん、訪れる観光スポットや宿泊先、アレンジを任せる旅行エージェント、さらには現場で同伴するガイドまで、身内の口コミを元に決める傾向が強いのです。

 実際、私にガイディングを依頼するゲストの約3分の1は、過去にアテンドした方々からの紹介です。さらに彼ら自身は直接知り合いでない場合もしばしば。

 どういうことかというと、日本の旅に関する私的なおすすめリストのようなものが出回っていて、それらが家族や親戚はもとより、友人知人、職場の同僚といったやや遠いコネクションの人たちの間でも共有されているのです。

 そこに加えて旅行エージェント側からのおすすめも追加されるので、候補の数は膨大になります。そんな中、彼ら自身が最終的に行きたい場所をピックアップするのです。

 その様子を日々間近で見ているガイドの視点から言うと、そこにはある一定の法則が存在するように見受けられます。それはズバリ次のようなポイントです。

1. 同業者など、自分と似たセンスを有する人からのおすすめ
2. 伝統的な技術をユニークにアップデートした、通好みなブランドや店
3. “日本の○○は違った!”と自慢できる、庶民派グローバルチェーン