「どうしてあんなヤツが評価されるんだ…!?」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

「急に暑くなりましたね」から、仕事の有力情報が引き出せる
あなたの職場には、「取引先からうまく情報を引き出せる人」はいますか?
僕の経験上、そういう人は総じて“会話の導入”が上手いです。そして、その人たちがよく使っているのが――意外にも「天気の話」です。
多くの人が勘違いしているのは、「天気の話=意味のない世間話」と思っていることです。
しかし、出世する人ほどこの“つまらない話”を上手に使っています。
今回はそれについて紹介していきましょう。
天気の話の2つの強み
天気の話には以下の2つの強みがあるからです。
① ほどよいつまらなさ=警戒心を解く
天気の話は、誰にとっても“害がない”話題です。政治や経済、プライベートな話に比べて、相手の防御力がぐっと下がります。特に初対面や、まだ関係構築ができていない相手には絶大な効果があります。
② 万能な導入口=どんな話題にもつなげられる
たとえば…
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「急に暑くなってきましたね」
→「外回り、大変じゃないですか?」
→「営業の皆さん、最近はどのエリアが忙しいんですか?」 -
「夕立、昨日すごかったですよね」
→「御社の工場のほうは大丈夫でした?」
→「生産ラインとか止まったりしてません?」 -
「今日は湿気がすごいですね」
→「僕、夏バテ気味でして…」
→「最近、皆さんどんなふうに体調管理されてます?」
という具合に、相手の業務、組織の動き、人間関係、健康管理――どんな切り口にも持っていけるのが天気トークの強みです。
大切なのは、“天気をきっかけに、本題を探りにいく”こと。
つまらない天気の話ひとつでも、使いようで、会話のなかから“有力な情報”を引き出せるのです。
まとめ:「暑いですね」は、チャンスの入口
当然、「暑いですね」という一言で、出世が決まるわけではありません。
でも、その一言の“あと”をどう使うかが、仕事のできる人とそうでない人の分かれ道です。
出世しない人の特徴は、「ただ話すだけ」で終わってしまうこと。
「今日は暑いですね」「そうですねー」で終わってしまっては、せっかくの導入が無駄になってしまいます。
仕事とは情報戦です。重要な情報は、意外なほど“なんてことない雑談”の中に落ちています。
だからこそ、「暑いですね」を雑談で終わらせるのではなく、武器に変えましょう。
次に誰かと会話をするときは、ぜひこのことを思い出してみてください。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)