英語を勉強しているが、英会話の上達を実感できない――そんな人に試してほしい1冊が『中学英語だけで面白いほど話せる!見たまま秒で言う英会話』だ。「イラストを見る→見たままを英語にする」を繰り返すことで、日本語を介さず瞬時に答える「英語の反射神経」を鍛えることができる。本稿では、著者の森秀夫さん(麗澤大学外国語学部教授)に「日本にいながら、英語を話せるようになる人の共通点」を聞いた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

日本にいても英語を話せるようになる人に共通する1つの習慣Photo: Adobe Stock

続かないのは、意志が弱いからじゃない

―― 英語を勉強しようと思っても、三日坊主で終わってしまうんです……。

森秀夫(以下、森):誰もが通り道ですよね。でもそれは、あなたの意志が弱いからではないですよ。実は「脳の性質」が関係しているのです。

―― 脳の性質、ですか?

:はい。人間の脳って、同じ刺激にはすぐに慣れてしまって、飽きるようにできているんです。

 たとえば、同じ英語の単語集を毎日見ていると、だんだん頭に入らなくなってきますよね?

 それは「報酬」が感じられなくなるからです。

 脳は「できた!」「わかった!」という瞬間にドーパミンという快楽物質を分泌します。

 でも、同じことの繰り返しだとその報酬を得にくくなって、その結果、モチベーションも下がってしまうのです。

脳を飽きさせない「学習のリズム」をつくる

―― じゃあ、どうしたら続けられるのですか?

:大事なのは、脳を飽きさせないこと。つまり、少しずつ違う角度から刺激を与えることです。

 たとえば、英語なら――

 ・発音アプリで音を聞いて真似る

 ・薄い文法本を1冊だけやりきる

 ・SNSやチャットアプリを使って外国人と英語で交流する

 ・YouTubeで英語の料理動画を見て真似して作る

 ・「英語でひとこと実況」(例:“I’m boiling water.” “I’m washing my face.”)をスマホに録音

 ・英語学習アプリ「スピーク」などで簡単な会話をしてみる

―― なるほど、同じ“英語学習”でも、やり方を変えるだけで新鮮になるんですね!

:そうそう。「英語をマスターできる人は、英語をマスターするまでゲームを降りない」って言いますが、そのゲームを退屈にしてしまう最大の敵が「飽き」なんです。

 だからこそ、学習方法を変化させて、常に「新しい刺激」を入れていくことが大切なのです。

今日やるのはこれだけ。飽きずに続ける英語学習のコツ

―― 確かに、毎回同じことばかりだと、やる気が続きませんね……。

:そうですね。だから、「今日はリスニング」「明日は会話アプリで練習」「次の日は日記を英語で1行だけ」みたいに、リズムを持たせると、自然と続けやすくなりますよ。

 飽きずに英語をマスターするキーワードは、次の3つです。

「英語学習 × 楽しみ続けるための工夫 × 実際に英語を使える実感」

「楽しいから続けられる」「続けたら話せるようになる」という実感があれば、自然とやりたくなります。

―― 「英語 × 楽しみ × 実感」ですね。なんだか楽しくなってきました!

:その気持ちが一番のスタートラインです。

 英語学習は長い旅ですが、「飽きにくい道」を選べば、続けることは難しくありません。

 あとは、「続けている自分」を自分で褒めてあげることも忘れずに!

参考文献:『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(中野信子, サンマーク出版)