テストを解答するとき、正解できる子が避けていること
【高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格!】――しかも、首席合格とわずか3点差のほぼトップ合格!『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)の著者は、中学3年生のときに「東大合格」を宣言。高校にも塾にも通わず、完全独学で東大合格を目指したけれど……全国模試は「偏差値45」。そこで、徹底的に「国語」鍛えるという“大逆転の勉強法”を編み出す。勉強の大半を「読書に費やす」という常識外れの戦略で、全科目の成績が軒並みアップ! すべての科目は結局、国語の力がモノをいうことがわかった。コスパとタイパを徹底し、四コマ漫画や恋愛ゲームで楽しみながら学力を高める方法から勉強への合理的なモチベーションの高め方までを徹底指南。超★実践的な成績アップ法を初公開する。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

「傷つく」という正解にたどり着くために必要なこと
次の選択問題を解いてみてください。
美咲は高校時代からの親友で、快活な性格の持ち主であった。
美咲の死後、涼子は周囲から
「美咲さんを失って辛いでしょう」
「あなたがそばにいてくれたから美咲さんも幸せだったはず。涼子さんが美咲さんの親友で本当によかった」
と言われ、その度に涼子は( )。
問題:( )に入るものとして適切なものはどれですか?
❶ 嬉しくなる
❷ 傷つく
❸ やるせない気持ちになる
❹ 複雑な気持ちになる
これは、文章中の登場人物が何をどう思っているかを答える「心情問題」の1つです。
この問題を大人に解いてもらったところ、「❹ 複雑な気持ちになる」という答えが約65%、「❸ やるせない気持ちになる」という答えが約30%でしたが、正解は「❷ 傷つく」です。
国語の心情問題では、問題文全体を通して読まない限り、今回のような「傷つく」という正解にはたどりつけません。問題文の断片にのみ着目していては、誤った解答を選んでしまうのです。
「問題文全体を読む」ができていない生徒の現実
ところが、この重要ポイントである「問題文全体を読む」ということができている生徒は、残念ながらあまり多くありません。
僕は、心情問題が苦手な生徒が国語の問題を解いているときの目線を追ってみたところ、ある共通点に気がつきました。
多くの生徒が陥る「いきなり問題を読む」習慣
その共通点とは、問題文全体を読む前に、いきなり「問題」を読み始めることです。
学校の定期テストでも入試でも、国語では1つの問題文に対して5~6個の問題が用意されるのが一般的です。
「カッコの周辺」だけで解こうとする危うさ
問題文全体を読むことができていない生徒は、先に「問題1」を読んで、カッコや傍線の周辺だけを読む。つまり、問題文全体を読む前に、問題に紐づいているカッコや傍線の周辺の情報のみで、解答しようとするのです。
たとえば、先ほどの問題文では、カッコの直前には「美咲さんも幸せだったはず」といったセリフがありますから、安易な連想から「❶ 嬉しくなる」を選んでしまったりするのです。
「木を見て森を見ず」の読み方が誤答を生む
同様に問題2、問題3……と、問いと紐づく問題文の該当箇所だけをぶつ切りで読んでしまうことで、「木を見て森を見ず」(小さなことに気を取られ、全体を見通さないことを意味することわざ)となり、全体像をさっぱりつかめないまま、誤答してしまいがちなのです。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。