「スマホを見ていたらあっという間に2時間経ってた…」「あっという間に1日が過ぎていく」。スマホやSNSが蔓延っている今、そう感じたことはありませんか?
『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』の発売を記念して、年間200冊を手がけることもあるほど超人気かつ超多忙なデザイナーであり、著書『時間のデザイン』も刊行された井上新八さんに、特別に話を聞いた。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

Q.早起きして朝の時間を充実させたいのに、なかなか行動に移せません。
読書や運動をして、気持ちよく1日を始めたい気持ちはあるのですが、なかなか行動に移せないままです。朝型人間になるための秘訣はありますか?
元々朝型人間でなくてもできるようになる
井上新八氏(以下、井上氏) ぼくも、元々は夜型人間だったんです。
20代の頃は、ほぼ毎日飲みすぎて、そんなに寝ずに翌日も活動を始めてましたね。ほとんど寝てなかったんじゃないかな。
今となっては、目覚まし時計とかアラームを設定しなくても、起きようと思ったら起きれるようになりました。
朝型人間になれた理由はシンプルで、「そうしないと、仕事が間に合わなくなったから」というだけです(笑)。
そんなに特別なことはしていないですが、朝型になるために続けていることがあります。
朝に無理やり予定を作ってしまう
井上氏 朝型になりたいなら、朝早くに起きる必要がある予定を作ってしまえばいいんです。
ぼくの場合、本のデザインの仕事をしているのですが、10時を過ぎると編集者から連絡がどんどんくるんです。そうすると、メールの返信をしないといけなくなったり、新しい仕事の依頼がきて考えなきゃいけないことが増えてしまう。
そうやって忙しくなる前に、「自分がその日一番やりたいことに集中したい」という思いがあるので、朝早くに起きるようになりました。
『とっぱらう』にも同じような戦術があると思います。
早寝早起きして朝の静かな時間をその日のハイライトに充てる
初めはどんなに小さな用事でもいい。服にアイロンをかけるでも、Xになにかしらポストするでも、自分ができそうなことから取り組もう。
――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より
ぼくにとって、誰からの連絡もこない朝は一番自分のやりたいことに集中できる時間なんです。
だからこそ、朝に行動したいなら、無理やりにでも「朝にやらなきゃいけない用事」を作ってしまうのがコツです。
例えば、「Xに1つ投稿する」「部屋を10分だけ掃除する」でもいいし、「コーヒーを淹れてお気に入りの本を5分読む」でもいい。
“小さな行動”と思っていたものが、突然の覚醒につながることはよくあります。
ちなみに、ぼくは毎朝4時に起きていたんですが、最近はそれでも間に合わないので3時45分とかに起きるようになりましたね。一周まわって夜型人間なのかもしれません(笑)。

1973年、東京生まれ。和光大学在学中に独学でブックデザイン業を始める。大学卒業後は新聞社で編集者として働き、2001年にフリーランスのブックデザイナーとして独立。年間200冊近くの本をデザインしている。担当した書籍は『覚悟の磨き方』『自分とか、ないから。』(サンクチュアリ出版)『運動脳』(サンマーク出版)など多数。著書の最新刊は『時間のデザイン』(サンクチュアリ出版)
note(https://note.com/shimpachi88)
X(https://x.com/shimpachi)