スマホ・テレビ・ゴシップ……日常生活の99%はムダだらけ。しかし、ムダを捨てるためにいくら効率を良くし、生産性を上げても、他人の期待に応えているだけで、自分のためになっているわけではない。「依存のプロ」GoogleとYouTube出身の著者が生み出した、自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」とは? 27言語で刊行され、世界で累計30万部を突破している『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに解説する。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)

「すぐキレる人」と「いつでもメンタルが安定してる人」の決定的な差とは?Photo: Adobe Stock

悪い知らせにばかり目がいって、気付かぬうちに心が疲弊してしまう

 朝、スマホを開けば戦争や災害、汚職など悪い知らせを強調するニュースばかり。
 電車の中でも、SNSでトラブルや炎上に触れ、職場に着くころにはどこか心がざわついている。

 そのまま同僚の何気ない一言に過剰に反応してしまったり、会議でイライラを抑えきれなかったり……。

 実はこうした「日々の小さな怒り」の多くは、自分でも気づかないうちに“情報疲れ”が引き金になっていることがあります。

 一方で、つねに落ち着いていて、何が起きても動じない人がいるのも事実です。
「いつでもメンタルが安定してる人」になるためには、何をすれば良いのでしょうか。

事件を放っておく

 彼らが実践しているのは、事件を放っておくという戦術です。

戦術:事件を放っておく
 ニュースを毎日見る必要はない。

――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より

 私たちは、つい「知っていないといけない」という焦りから、ニュースや速報を“受け取らされる”状態に慣れてしまっています。

 けれど、仕事ができる人はちがいます。
 彼らが大事にしているのは、「何を知るか」ではなく、「何に振り回されないか」なのです。

「毎日知っていなきゃいけないニュースなんて、実はほとんど存在しない」というのが、仕事ができる人の基本姿勢です。

 実際、ニュースを見てみると、汚職や犯罪など比較的“悪い知らせ”の方が大々的に取り上げられます。

 それらのニュースを見ても、その日自分がやることとは関係のないことがほとんどです。
 さらには、数日が経てば世間の関心も薄れ、埋もれてしまうような一過性のニュースも多いはずです。

「あえて見ない」人が持つ、静かな強さ

 一流は、“不安のすべて”に付き合いません。
 それは冷たいわけでも、無関心なのでもなく、「自分に今できること」に集中するための選択です。

 つまり、ニュースを一切見るなと言っているわけではありません

週に一度まとめて読むことを勧めたい。
ポイントは、24時間年中無休のニュース速報のサイクルから抜け出すことだ。

――『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』より

 最初から「事件を放っておく」という習慣を身につけるのは難しいと思います。

 この戦術が重要なのは、つねにニュースに振り回されて反応するよりも、自分がなにを大事にして、誰を優先すべきかを明確にすることです。

 それは、ただスルーするということではなく、あなたの集中を守るための最強の戦術なのです。

「今すぐ知る必要があること」は、ほとんど存在しない

 成果を出す人たちは、“情報に反応しない余白”を意図的につくっています。

 焦ってすべてを知ろうとせず、本当に必要な情報だけを、自分のタイミングで選ぶ。

 それが、“情報の時代”を生き抜く、一流の知性のあり方です。

(本記事は、ジェイク・ナップ ジョン・ゼラツキー著『とっぱらう――自分の時間を取り戻す「完璧な習慣」』をもとに作成しました。)