「どうしてあんなヤツが評価されるんだ…!?」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

職場にいる「長期休み明けに“お土産”を配らない人」が出世しない本当の理由Photo: Adobe Stock

休み明けに「お土産を配らない人」は出世しない

職場には必ずと言っていいほど、長期休みのあとにお菓子やお土産を配る人がいますよね。あなたの職場にも、連休明けになるとデスクに静かにお菓子を配って回る同僚がいるのではないでしょうか。

一方で、まったく何も配らない人もいます。
・「そういうの、もう古いし」
・「義務じゃないでしょ?」
たしかに、お土産を配ることは業務ではありませんし、ルールでもありません。

でも、そういう“配らない人”は、メガバンクでは出世しにくいです。
今日はその「理由の正体」についてお話ししたいと思います。

評価は「見えないところ」で勝手に決まっていく

僕が勤めていたメガバンクでは、長期休みのあとのお菓子配りはほぼ文化として定着していました。特に新人のうちは、お土産を持っていかないという選択肢はまずありませんでした。

ところが最近は、「そういうのもういいでしょ」「時代遅れだよ」と冷めた反応をする若手も少なくありません。

でも、ここで声を大にして言いたいのは、「配らないからといって怒られることはないけれど、確実に評価は下がっている」という事実です。

今の時代、誰も注意してくれない

以前なら、「こういうときはちゃんと配らないと印象悪くなるよ」と年長者がやんわりと教えてくれていました。でも今は違います。今の時代、そんなことを言おうものなら、すぐに「ハラスメント」と言われかねない。だから、上の世代ほど“気づいていても何も言わない”のです。

結果、どうなるか。誰にも何も言われないけど、評価は静かに下がっていく「サイレント減点」が、気づかぬうちにあなたに降りかかるのです。

出世したければ、「黙っている人の本音」に気づけ

出世に必要なのは、能力だけではありません。

誰かが何かを言ってくれる時代はもう終わりました。
あなたが気づかないまま、評価が静かに沈んでいく時代です。
長期休み明けにお土産を配るかどうだけで評価に影響するなんてバカバカしいと思うかもしれません。

しかし、人間は感情の生き物です。どんなに定量評価を謳っている会社でも、気持ちなどの定性評価が入ります。逆に言えば、ちょっとしたお菓子を配るだけで職場で「サイレント減点」を避けられるなら、安いものだとも思いませんか?

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)