英語と比較的似ている言語をもつヨーロッパ的な勉強法は、日本人には適さない
英語とヨーロッパの言語が似ているという感覚は、日本語でいうところの「方言」と同じ感覚です。
30年前、私が仙台から東京へ出てきたころ、電車に乗ると、「車内アナウンスのイントネーション」が違っていて、うまく聞き取れず、「降りそこねたらどうしよう……」と、ドキドキしたものでした。

……というのも、私がそれまで話していた、東北の私の地元の方言は、語尾に「○○ちゃ」とつけます。
ですから「これ飲みなさい」は「これ飲んだれっちゃ」と言います。
東京に来たとき初めて、「あぁ、東京の人は、語尾に『○○ちゃ』をつけないんだなぁ」と思ったほど、全然、違う言葉のように感じていたのです。
ところが、1ヵ月もすると、自然と「東京の言葉」も聞き取れるようになり、気づくと、東京の人と変わらないイントネーションで、話せるようになっていました。
英語と日本語は、似ても似つかない、まったく違う言語
著者:安田正(やすだ・ただし)(株)パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役
早稲田大学理工学術院非常勤講師
1990年に法人向け研修会社パンネーションズを設立し、「日本人のための英語学習法」を提供。そのユニークな学習方法はNHK「クローズアップ現代」や、フジテレビ「めざましテレビ」など、多くの雑誌メディアでも取り上げられた。これまでIT、電機機器メーカー、自動車メーカー、小売業、金融などの多岐にわたる大手企業&中小企業、約1500社、55万人に研修を実施している。現在は、「英語」の他「ロジカル・コミュニケーション」「ロジカル・ライティング」「対人対応コーチング」「交渉術」などのビジネスコミュニケーションの領域で研修を行っている。安田自ら講師、コンサルタントとして活躍中。
ほかにも、「大阪弁」と「東京弁」は、あんなにも違うのに、みなさん、「自然に意味は理解できている」じゃないですか!!
近い言語とは、そんな「方言のようなもの」なので、繰り返すうちに自然に聞き取れ、そして話せるようになってしまうのです。
ところが……、
日本語と英語とは、まったく似ても似つかない言語
です!!! 本当に、まったく違います!!!
文字自体もぜんぜん違う。文のカタチも違う。ルールが根本的に違う。
「すべてが、ことごとく違う」のです!!!
こんなにも「英語とまったく違う言語」を使っている私たち日本人が、英語の仲間の言葉を使っているヨーロッパの人達と同じやり方、つまり「習うより慣れろ」方式で学習しても、英語が上手くなるはずがありません。
私は声を「大」にして言いたい!!!
「日本人の語学の能力が低いから、英語が話せないのではなくて、今までの日本人の『英語学習法』が間違っていたから、英語が話せなかっただけなのです!!」
ですから、決して、あきらめないでください。そして、自分を責めないでください。
私たち「日本人に合った英語学習法」であれば、英語は、必ず、話せるようになるのです!!!




