英語話者の大半が”非ネイティブ”になった現代。そんな時代にあわせた学習法が話題となり2013年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けているのが『英語は「インド式」で学べ! 』だ。非ネイティブ同士がコミュニケーションするための「道具」として、英語史上最もカンタンになっている21世紀の「世界標準の英語」が日本人向けに解説されている。本連載では、そんな本書のエッセンスをお伝えしていく。

英語は「インド式」で学べ!Photo: Adobe Stock

【日本人の、ここがイマイチ】一語一語、英語を聞こうとする

「英語をカッコよく話す」ことと関連して、ぜひ覚えておいていただきたいことが…、

「英語を話すことができるようになれば、英語を聞くこともできるようになる」

 ということです。

 私は「英語を聞くためのメソッド(リスニングメソッド)」でも、研修などを行っております。

 実は、これだけで1冊本が作れてしまうほど、「リスニング」に関してのメソッドはあるのですが、今回はリスニングに関して簡単にポイントをまとめてみます。

 さて、「リスニングができない……」という日本人に、その理由を尋ねてみると、たいてい、

 ・相手の話すスピードが早過ぎる
 ・英会話に出てくる「単語(ボキャブラリー)」がわからない
 ・各国それぞれのなまりがあって、わかりづらい

 などということが挙げられます。

 ……しかし、実はこれらは、「リスニングができない本当の理由」ではないのです。

 日本人がリスニングができない本当の理由とは…、

一語一語、英語を日本語に訳そうとしてしまう」

 ことにあるのです。

 しかし、英語と日本語のいちばんの違いは、「言葉の並び順が全然違うこと(文のカタチが違うこと)」です。

 そもそも、「言葉の並び順が全然違う」のに、英語を聞いているそばから、いちいちその単語を日本語に直訳していくと、「語順」がこんがらがって、まるで意味がわからなくなってしまいます。

 つまり、「英語が聞けない」根本的な理由は、「英語が話せない」ということと、まったく同じなのです。

【これで解決!】
動詞に注目してカタチを捉える!

 さて、「英語が聞ける=英語が話せる」なのであれば、解決方法は、「動詞に注目して、英文のカタチを捉えて聞くこと」です。

 英文のカタチを捉えて聞いていくときに、重要なポイントになるのが、英文中の「動詞」です。

 英語の文章のカタチを決定するのが「動詞」なので、その「動詞」を聞き逃さずに、きっちり捉えることがポイントなのです。

 これまで、あなたが「リスニングが苦手」だったのは…、「すべての単語を、『同列で』聞き取ろうとしていたから」なのです。

 そこで、まずは、「聞くべき優先順位」をつけるようにすると、これまでより、圧倒的に、聞き取りやすくなります。

 そして、英語のリスニングの場合は、「動詞を聞き逃さないようにする」ことで、「英文のカタチ」が捉えられるようになるわけですから、「動詞」を聞いた後は、その先を予測しながら聞けるようになってくるのです。

 たとえば、

 He sounds ○○○

 という英文が始まった時点で、頭の中に、

「He=○○○なようだ」

 というカタチを予測できるので、次に「○○○」に入る事柄が現れる……、と予測して聞くことができます。

 同様に、

 I find ○○○

 ときたら、その「○○○」に入る「A=B」という事柄が入ることを、予測して聞くようになるので、理解が圧倒的に早く、正確になるのです!

 このように「動詞を聞き取ることに意識を向けると、動詞が出てきた時点で、次の英文のカタチを予測して聞くことができる」ので、安心して聞くことができます。

 そして、「英文のカタチ」を捉えられると同時に、その意味も捉えられるので、理解力もグンとアップします。

 これで、相手の会話スピードが速くなっても、わからない英単語(ボキャブラリー)が出てきても、「英文のカタチ」を捉えていることによって、「大まかな意味」が理解できるようになるのです。

 結局、今までは英語を聞く際に、「まず第一に何を優先して聞くべきか」を決めていなかったため、必然的に、「すべての単語を『同列で』聞こうとして、一語一語、訳していた」ので、スピードの早さや、単語力不足に、振り回されていただけなのです。

 このように「英語を聞けるようになる(リスニング力アップ)」のためには、「動詞に注目して英文のカタチを素早く理解する」ことで、今までの何倍も、英語が聞けるようになるのです!