米アラスカ州で15日に行われるドナルド・トランプ米大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領の首脳会談は、ウクライナにとって悪い結果になりそうな雲行きだ。トランプ氏はウクライナに対し、領土の最大20%のロシアへの割譲を強要しようとして、ロシアの侵略に報いる可能性があるように見える。それはウクライナ戦争を仕掛けたことに対する実に大きな褒賞となる。この戦争では、10万人ものウクライナ兵と1万3000人を超える民間人が死亡し、残虐な占領が行われ、何万人ものウクライナの子どもたちが拉致され、同国の都市と産業への損害は5000億ドル(約73兆6000億円)相当に上っている。しかし、トランプ氏が大方の見方に反して、抜け目のない交渉人という自己評価にふさわしい対応に努めるつもりなら、プーチン氏の最後通告に対応する準備を整えておくべきだ。