ドナルド・トランプ米大統領は自身の直感と戦術的な衝動に従って外交政策を遂行しており、ロシアとウクライナに関する15日の突然の方向転換はその典型的な例だ。これが和平への道の始まりなのか、それとも対ロ融和政策への道の始まりなのかは、分からない。トランプ氏自身が分かっているかどうかも定かでない。トランプ氏は、停戦合意がなければ「厳しい結果が生じる」と約束して米ロ首脳会談に臨んだ。しかし、戦争が続く中で長期的な和平合意を望むロシアのウラジーミル・プーチン大統領を支持し、何の成果も得られぬまま停戦を断念して首脳会談の場を後にした。さらに、ロシア産石油を購入している国々への新たな制裁を棚上げにした。トランプ氏はまた、合意成立の責任は現在ウクライナにあると述べた。欧州諸国の首脳らが記者団に語ったところによると、トランプ氏は欧州首脳との電話会談で、プーチン氏がウクライナのドネツク州全域の獲得を要求したことを明らかにした。つまり、ウクライナに東部の主要な防衛線を放棄するよう迫ったのだ。
【社説】ウクライナ和平はどのようなものになるか
合意の善しあしを決めるのは西側諸国による「安全の保証」の質
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