「せっかく“いい会社”のはずなのに、毎日ぜんぜん楽しくない…」
あなたは今の職場で、「うまく言葉にならない“悩み”」を感じたことはないだろうか。「この会社で一生働くなんて無理…」「でも、他に“やりたいこと”もない…」「だから、しぶしぶ働いている…」そんな日々に「このままでいいのか?」と不安になったことも、一度ではないはず。
こんな“うまく言葉にできないモヤモヤ”を「見事に“言語化”してくれた!!」と話題なのが、新刊『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』だ。各所から共感が殺到している本書の内容に沿って、今回は「キャリアのモヤモヤ」の正体について解説する。

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ハードルはいつまでも上がり続ける

「もっと上があるはずだ」

 常に最適解を探し、上を目指し続ける。年収、職位、市場価値、企業ブランド。数値化できるものすべてが序列の材料になる。スキルを磨き、実績を積み、期待に応え続ける。止まれば敗北。休めば不安。いつの間にか、「どこに向かっているか」も見失った。

「高偏差値型」のハイスペックキャリア迷子にとって、「優秀であること」は単なるスキルではない。自分の存在を肯定する根拠だ。

「努力」が不安を鎮める手段になる

 けれど社会に出れば、基準は曖昧で、ルールチェンジも激しい。「誰が優れているか?」は、文脈ひとつで、いとも簡単に入れ替わる。
 それでも、「止まる」なんて、ありえない。成長をやめたら――何をするべきかわからなくなってしまう。

 けれど、評価されればされるほど、次のハードルが現れる。褒められても、安心できない。
 ――深夜0時、メールを閉じたあとも、心がざわついている。
 ――誰もいないエレベーターで、叫びたくなる自分がいる。
 本来、努力は「何かを実現するための手段」だったはずだ。

 けれど今は、「努力すること」が、不安を鎮めるための手段になっている。

 収入が上がっても、「いい会社」に入っても、満たされない。
 それは、「上を目指し続けること」に過剰適合してしまったハイスペックキャリア迷子の末路なのだ。

(本記事は『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)