米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は今夏の議会証言の直前、公聴会場に一人座り、じっと考え込んでいるように見えた。パウエル氏は、インフレ抑制と雇用維持というFRBの主要な役割について質問を受ける準備をしていた、と後に関係者に語った。同氏は批判に備えているようだった。そして、批判はすぐに始まった。ドナルド・トランプ大統領を支持するバーニー・モレノ上院議員(共和、オハイオ州)は、公聴会の開始1時間後に芝居がかった攻撃を開始した。トランプ氏の関税と物価上昇および景気減速の可能性を結び付けたパウエル氏の発言は党派的だと非難した。これに対してパウエル氏は「実際には、私は関税について一切言及していない」とし、「インフレについてのみ言及している」と述べた。