附属校・系列校出身者がエスカレーター式に入学するパターンもありますし、留学生もいます。国公立大は一般選抜が8~9割以上ですが、私立大は学校型推薦と総合型選抜が難関大・有名大で3~5割程度、それ以外で6~8割程度を占めます。
教授も上手い下手があるので
「先生ガチャ」で一喜一憂
何が言いたいのかというと、そもそも教員が考えているようなレベルの前提知識を、その大学・学部の学生がそろえているのかは不明なのが現代なのです。一般選抜ばかりの頃であれば、「この試験を突破したということはこのレベルの知識はあるだろう」と推測できたかもしれませんが、今や状況は変わっています(とはいえ学校推薦型選抜や総合型選抜が悪いというわけではなく、これまではいなかったような多様な学生を集められているのも事実であり、あくまでも状況の変化と捉えたほうがよいでしょう)。しかも大学教員のほとんどは、東大・京大を筆頭とする難関国立大や早慶などの難関私大の修士号もちか博士号もち……。教員と学生のすれ違いがあるように見えました。
ただし、3・4年生の少人数でのグループワークであれば、興味や前提知識がそれなりにある学生が集まっていますし、ファシリテーターたる教員がしっかりしていれば、主体的学習もよいものになります。
また、もちろん教員にも、グループワーク指導のうまい先生とへたな先生がいます。先ごろ、WBS(早稲田大学ビジネススクール)の研究科長になられた池上重輔先生の講義は、MBA(経営管理専門修士)取得コースで全員が社会人大学院生であることを差し引いても、抜群の面白さです。また、2019年に東大から早稲田の教育学部に移籍されてきた濱中淳子先生も、理想ばかりが一丁前の生涯教育学専修の学生たちを相手に、現実を優しく叩きこんで導いていく手法は、見事なものです。

お2人の共通点は、グループワーク主体の講義中に、「自身がいちばん楽しそう」なところです。結局のところ、「どんな授業も教員次第」なので、学生たちの言うところの「先生ガチャ」はあるといえばあるのです。そんなものない!自主的に学ぼう!はきれいごとすぎるでしょう。
ちなみに早稲田では、『マイルストーン』という、全授業を個別に五つ星で評価した分厚い冊子が発売されており、これで学生は楽単(楽勝で単位が来る授業)度合や講義の評判を見て、ドキドキしながら学期はじめの科目登録をすることになります。受講できるかが抽選で決まる講義は、抽選結果に一喜一憂です。なんだか楽しそうでしょう?はい、学生もなんだかんだガチャを楽しんでいるのです。