ニュースな本写真はイメージです Photo:PIXTA

「やってみたいけど、今さら...」心が動いても、静かに引き返してしまう。年齢、仕事、家庭、そしてどこかにある“気が引ける”感覚。だが、ある社会人学生の実体験をたどっていくと、最初の一歩に必要なのは、特別な能力でも立派な目的でもなかった。「いつか」と思ってきた学びへのヒントは、案外すぐそばにあるかもしれない。※本稿は、伊藤賀一『もっと学びたい!と大人になって思ったら』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。

学び続ける精神は
周りに良い影響を与える

「学び続ける」には、重要な3つの心構えがあると思っています。

 1つめが、「自分をその学びが必要とされる状況に置く」ことです。文系の歴史学出身のぼくの場合は、歴史を中心とする社会科を、児童~シニア世代まで文理問わない受講生に実際に教えているという職業上ドンピシャな要素があったからこそ、次は文系理系どちらも関わる生涯教育学を学ぶことにしました。そして教育学を学んでいると、自分に理系の学びが足りないと痛感し、理系に行くことを決意。そのとき、これまでが2つ続けて私大でしたし、私大理系は文系科目不要=ぼくにとっては得意な文系科目で点数をかせげないという理由もあって、次は国立を狙っています。(編集部注/筆者は現役時代は法政文系、40代の学び直しで早稲田文系に入った。理系私大の入試では筆者が得意な文系科目が評価されにくいため、次は文系科目も活かせる国立大学を志望している)このように、偶然のように見えてじつは必然で、学びを続ける際には自分がすでに持っているピースと合わせて考えていくことになります。実は皆さんも、自分が次に学ぶべき内容はうすうす気づいているんじゃないでしょうか。