「頭のいい人」がやっている夜の習慣、知識量を着実に増やす一番の近道とは?夜の時間というものは、興味のあることを学び心に栄養を与える時間です。夜は「豊かになる勉強」をする時間(写真はイメージです) Photo:PIXTA

日常において情報過多の現代――。世の中の多くの人が寝静まる「沈黙の時間」である夜こそがじっくり学び、考えを深められる至福の時です。特に就寝前の2時間の過ごし方によって、人生の質は大きく変わります。本記事では、齋藤孝氏の最新刊『頭のいい人の夜に学ぶ習慣』(ポプラ社)から内容を一部抜粋・編集して、夜の学びに最も効果を発揮するであろう「読書」の技法や夜に読んでこそ輝きを放つ名著など、夜ならではの知識や教養の増やし方をご紹介します。

夜が人間の「深み」をつくる

 本を読んで、映画を見て、テレビを見て、知識と情報に触れ、心を豊かにする。夜の時間というものは、興味のあることを学び心に栄養を与える時間です。夜は「豊かになる勉強」をする時間。受験勉強のような、追い立てられる勉強ではなく、自分自身を教養面で豊かにするための勉強をする時間です。

 そして、リラックスして文化の深みに触れる時間でもあります。違う価値観に触れる時間。ふだん一つの価値観でやっているとしたら、このような価値観もあるという発見を得る時間。これが文化というものです。

 教養や文化に触れる時間を毎日持つと、人生に深みが増します。一方、日常的な考え事に追われていたりすると、人生が浅くなってきます。それに伴い、呼吸や思考まで浅くなってきます。

 ゆったりと呼吸し、本なら本、映画なら映画、ラジオならラジオにゆったりと浸りましょう。浸る深みを得られるのが夜のよさです。私にとって、夜の2時間(ときには、3~4時間)というのは非常に重要な時間です。夜が魂に栄養を与え、潤いをもたらし、深みというものを与えてくれます。そういう大切な夜の時間というものを、あなたにもつくっていただきたいと考えています。