大人もスカッと熱狂!アニメ「最強王図鑑」にハマる理由、アンパンマンとの決定的な違いとは?「アニメ 最強王図鑑」公式HPより https://www.youtube.com/@saikyooh_anime

子ども向けコンテンツが大人からも人気を得るのは日本において珍しくないが、「最強王図鑑」もそのひとつである。10周年を迎えて累計600万部を突破したこのシリーズは、現代の少年少女の心に、着々と根付きつつある。これが大人の心にも食い込んでいる理由を分析してみたい。(フリーライター 武藤弘樹)

“生き物”がトーナメント形式で戦う
図鑑としての機能も担うコンテンツ

「最強王図鑑」という子ども向けコンテンツがある。様々な生き物がトーナメント形式で戦って誰が最強かを決める、バトルの描写がメインの空想図鑑である。 

 エントリーする生き物は動物、恐竜、昆虫、モンスターから始まって、果ては関羽やアーサー王や安倍晴明などの「英雄」やギリシャ神話やヒンドゥー教の神様らも参戦する。相当振り切った内容である。

 バトルは生き物のスペックに則って行われるため、能力値のレーダーチャートや特徴も合わせて解説されていて、そのあたりに知識を授ける図鑑としての機能がある。

 これが今年10周年を迎え、累計600万部を突破している人気シリーズで、男児の間では定番のアイテムとも言えるらしい。Gakken(学研)発のコンテンツだから学習アイテムとしても広がりを見せていて、今年は国語や算数のドリルが発売された。

 どのあたりが通常のドリルと違うのかといえば、たとえば掛け算では「1とうの ケルベロスには 頭が3こ。5とう分の 頭は 15こ」と、ちゃんといかついケルベロス1+5頭のイラストともに解説されている。そして次には3頭のキマイラのつのの本数や、2体の鬼神・両面宿儺(りょうめんすくな)の手の本数(リアル調のイラスト付き)を答えさせるという念の入りようである。

 なお本稿はGakkenからお金をもらって書くPR記事ではなく、個人的に面白かったから紹介していることをまず断っておく。つまりしがらみは何もないので褒めるもくさすも自由である。