「きみのは、こういうところが抜けてるんだよ」のような気質に対するダメ出しなら、「気をつけます。ありがとうございます」。正確には「気をつけます。(ご指導)ありがとうございます」の意味だけど、指導するのもまた上司の仕事なので、特に言わなくても通じます。

「すみません」は、“いたらない私”つまり非を認めることばなので、情けない気持ちになるけれど、「ありがとうございます」は上司の職務遂行への感謝」なので、自分も職務遂行につなげようと前向きな気持ちになれます。

 上司の側も、「すみません」と暗い顔をされるより、「ありがとうございます」とすみやかに行動してもらったほうが気持ちいいはず。職務へのひたむきさを感じるので、評価も上がります。

周りの人たちの気分を
明るくさせる魔法の言葉

 余計なお世話を言われたときも(結婚しないの?子どもは産まないの?)、「気にかけてくださって、ありがとうございます」と笑顔でかわせばいい。「こうすればいいのに」と、できもしない(あるいは、したくもないような)アドバイスをもらったときも、「勉強(参考)になります。ありがとうございます」と笑顔で逃げられます。

書影『運のトリセツ』『運のトリセツ』(黒川伊保子、扶桑社)

 たとえば接客業で、「向こうのお店では、○○してくれるわ。お宅もすればいいのに」のような顧客の言葉に、うっかり「すみません」と謝ると、非を認めたことになり、ときには心が傷ついてしまいます。でも「そうなんですか。勉強になります。ありがとうございます」と返せば、アドバイスをいただいた体になり、情けない気持ちにならないし、顧客も気持ちいい。ちなみに、「お待たせしてすみません」も「待っていただいて、ありがとうございます」に変えれば、顧客の気持ちも明るくなります。

「すみません」を「ありがとうございます」に変えましょう。ミスをしたのに上司にかわいがられ、お待たせしたお客様に「いいのよ、商売繁盛でよかったわね」と言われるかも。「ありがとう」は、人の気持ちを明るくするから。運のいい人の口癖、と言ってもいいかもしれません。