「せっかく“いい会社”のはずなのに、毎日ぜんぜん楽しくない…」
あなたは今の職場で、「うまく言葉にならない“悩み”」を感じたことはないだろうか。「この会社で一生働くなんて無理…」「でも、他に“やりたいこと”もない…」「だから、しぶしぶ働いている…」そんな日々に「このままでいいのか?」と不安になったことも、一度ではないはず。
こんな“うまく言葉にできないモヤモヤ”を「見事に“言語化”してくれた!!」と話題なのが、新刊『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』だ。各所から共感が殺到している本書の内容に沿って、今回は「キャリアのモヤモヤ」の正体について解説する。

「ハイスペックキャリア迷子」とは何か?
「いい高校」「いい大学」そして、「いい会社」。
親が喜び、友人が羨(うらや)む、華やかな肩書き――
だが、その完璧な経歴の裏側に、言葉にできない違和感を抱えている。それが、「ハイスペックキャリア迷子」だ。
「ハイスペックキャリア迷子」と聞くと、東大卒や外資系企業のエリートのような、いわゆる“ハイスペック”を想像するだろう。
しかし実際は、それだけに限らない。優秀で、「正解を選び続けてきた」人すべてが、将来、「ハイスペックキャリア迷子」になる可能性を秘めている。その3つの特徴を紹介していこう。
特徴1:「いい会社」にいるのに、「自分らしさ」がない気がする
収入もポジションも、人が羨む水準にある。それなのに――自分の内側だけが、妙に冷えている。
「こんなの、贅沢な悩みだ」と思ってしまうこともあるだろう。
履歴書だけ見れば、成功者だ。
でも、自分のままでいられる場所が、どこにも見つからない。
特徴2:「優秀」なのに「ゆるやかな不幸」を感じてしまう
「すごいね」「うまくいってるね」
ハイスペックキャリア迷子の迷いは、皮肉にも「他者から良い評価を与えられた瞬間」に生じることが多い。
偏差値競争、大企業信仰、肩書き主義――
「正解のルート」を踏むことが、長らく「優秀さ」の証とされてきた。
だからこそ、問いが生まれるのだ。「これは、本当に自分の人生なのか?」と。
真面目に、誠実に、期待に応えてきた人ほど、この構造に深くからめとられていく。
これは決して、あなたが脆(もろ)いからではない。社会構造の副作用に巻き込まれているにすぎないのだ。
特徴3:今得ている評価が「縛り」になって動き出せない
選択肢はある。「あなたなら何でもできる」と、ずっと言われてきた。
なのに、なぜか動けない。頭では「これだ」と思えても、足がすくむ。
可能性に囲まれているのに、どこにも進めない。
選べる自由があるからこそ、選ぶのが怖くなる。「いい会社」にいることが足かせとなる。
空気のように漂う期待と評価が、選択の幅を目に見えない形で狭めていくのだ。
(本記事は『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)