つい先日、すごく悩んだ末、親しい人に“ある告白”をした。

「最近、臭いが少し気になる時があるかもしれない」

 あるかもしれない…。なんて日本人的な遠回しな言い方だろうと思うものの、こうした話題はズバッと言いにくい。

 同じようなことでいうと、「鼻毛出ているよ」も言いにくいが、それはカットすれば良いだけなので、その場は気まずいし、気恥ずかしいものの、長引く問題にはならないだろう。でも、臭う、となれば話は別。もし“加齢臭”であれば、すぐに解決できるようなことでもないので、ただいたずらに傷つけてはいけない、と思い、伝えるべきかどうか悩んでいた。

 だけれど、本人が「昨日飲みすぎちゃった」という翌日くらいにしか臭わないことが発覚したので、これは根深くないタイプのものだと思い、おもいきって口にしてみた。もちろん、パートナーや同居している人がいるのであれば、余計なお世話だと思って言わない。ただ独り身だと指摘されにくいことである上に、仕事において「清潔感」というのは大事なパーツなので、気づいて言わないよりは言った方がいい…と考えて踏み込んでみた次第だった。

夏バテ対策の「肉」が
あなたを臭わせていた!?

 毎年、夏を迎えるこの時期になると、女性のダイエット相談が増えるように、男性の汗や臭いの相談が増えてくる。臭いの原因となるものの正体は年中変わらないはずなのだが、汗をかくようになると、いつもだったら近い距離にいないとわからないレベルの臭いが、少しずつ“目立つ”ようになる…ということだろうか。加齢臭も含め、臭い対策の基本的な食生活については、ぜひ過去の記事(『あなたを精神的にへこませる「加齢臭」から解放される食生活とは』)も参考にしていただきたい。

 そもそも、汗というものは、体の表面に存在するエクリン腺とアポクリン腺という汗腺から出ている。エクリン腺は全身にあるが、その汗の成分の99%は水分なので、サラっとしていて、あまり臭うようなものでない。問題なのは、ワキの下や性器、肛門周辺などの一部に存在するアポクリン腺の方だ。ここから出る汗は、糖質、脂質、アンモニアなどの成分を含み、若干粘り気すらある。ほとんどが水分のエクリン腺からの汗と違い、栄養分が豊富なため、皮膚の常在菌が繁殖しやすく、臭いのもととなるのだ。