人前で話がうまい人と、ガチガチに固まる人の決定的な意識の違い
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 1秒で悩みが吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

人前で話す機会と緊張
最近、私は講演会やラジオ、テレビ出演など、人前で話す機会が増えてきました。特に生放送では、どうしても緊張してしまうことがあります。
今日は、私自身が実践してきた、人前でもあまり緊張せずに話すための方法についてお話しします。これが皆さんの何かのお役に立てれば幸いです。
緊張の原因は「間違えられない」という意識
人前で話す際、「きちんと発表しよう」「間違えずに読み上げよう」と意識しすぎると、かえって緊張してうまくいかないことが多いです。「間違えないように」と考えることは、ある意味で他人を意識しすぎる「他人軸」の状態と言えます。
その結果、緊張でかえって間違えてしまったり、一度間違えたことでパニックになり、しどろもどろになったりしてしまいます。
「発表」ではなく「おしゃべり」と捉え直す
聞き手にとって「良い発表だった」と感じるのは、内容が正確だったこと以上に、「話してくれた人の心が伝わってきた」「話が聞きやすかった」と感じられた時ではないでしょうか。
つまり、何かを一方的に「発表する」という意識ではなく、「聴衆の皆さんとおしゃべりをする」という認識でいる方が、リラックスして話せるのです。
【実践編】「おしゃべり」感覚で話すための具体的なコツ
とはいえ、いきなり大勢を相手におしゃべりするのは難しいものです。そこで、具体的な方法を2つご紹介します。
❶ 特定の少人数を相手に話すイメージを持つ
まずは会場を見渡し、近くにいる何人かの方と、「小グループで話している」というイメージで話し始めてみましょう。聴衆全体という漠然とした対象ではなく、目の前にいる特定の人に語りかけることで、緊張がほぐれやすくなります。
➋ 慣れてきたら、冗談や脱線を交える
少し話すことに慣れてきたら、軽い冗談を言ったり、少し本筋から脱線した話をしたりするのも効果的です。そうすることで、話に人間味が出て、聞き手との距離も縮まります。
もちろん、学会発表など、原稿を正確に読むことが求められる場面もあります。しかし、一般的なスピーチでは、原稿通りに話すことよりも、自分の言葉で伝える意識を持つことが大切です。
聴衆との対話をイメージしましょう
スピーチの際には、聴衆の中にいる、頷いてくれたり、にこやかに聞いてくれたりする方を見つけて、「その人と対話している」というイメージで話してみてください。きっと心がほぐれていくはずです。
大切なのは「発表する」と気負うのではなく、「おしゃべりをする」という気軽な気持ちで臨むこと。ぜひ参考にしてみてください。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。