
筆者は、吉本でお笑いコンビ「オオカミ少年」で活動する傍ら、探偵事務所の代表を務めています。私の探偵歴十数年の中でさまざまな調査の相談を受けました。多くの夫婦間の裏切りの証拠を押さえてきました。けれど時には「不貞」という行為に至った、もっと暗い人間の闇に遭遇することがあります。今回ご紹介するのは、立場を利用してあるシングルマザーを追い詰めた、狂気ともいえる不貞調査の案件です。(探偵芸人 オオカミ少年・片岡正徳、登場人物はすべて仮名)
育児に非協力的な夫
妻の元に届いた差出人に名前がない手紙
依頼者の川野沙百合さん(かわのさゆり・36歳)は、結婚12年目の専業主婦で幼い2人の子どもの母です。
家族のために一生懸命働いてくれている夫の川野真蔵(かわのしんぞう・41歳)には、日々の育児や家事に追われる中でも常に感謝していました。

真蔵は決して子煩悩ではなく、残業続きや休日出勤も頻繁にある仕事のストレスを、同僚との飲みの席やゴルフで発散していました。
真蔵は家を空けることが多いものの、沙百合さんは「今はお互いに仕事と育児を頑張る時期」だと自分に言い聞かせて家を守ってきました。
ごくたまにある家でゆっくりする休日でも、遊んでほしい子どもの要求に対して露骨に嫌がる真蔵に「お仕事頑張ってるんだからしょうがない」と我慢していました。
そんなある日、沙百合さん宛てに差出人が書かれていない手紙が届きました。