
「自分が若かったころのやり方をしようとしたら、若い部下に『時代錯誤』『公私混同』と言われた」「チームが一丸となるために飲み会を開催しようとしたら、参加は強制ですか?と嫌がられた」「業務でミスがあった部下に必要な注意・指導をしたら『パワハラです』と非難された。言い分は『私がパワハラだと思ったらパワハラなんです』」……ここのところ、40~50代中間管理職の人たちからのこうした相談が増えています。世の中が変わり、自分たちが若かったころのやり方が通用しなくなっている今、どう若手を指導したらいいのか。心理学者が具体的な対処法を指南します。(ストレス・マネジメント専門家 舟木彩乃)
自分たちが若い頃のやりかたが通じず、悩める40~50代中間管理職
最近、管理職の人たちから、次のような相談が多くなってきました。
・必要な注意・指導をしただけなのに、部下から「それはパワハラです」と言われた。部下の言い分は「私がパワハラだと思ったらパワハラなんです!」
・部下との飲み会では、何を言ってもパワハラ・セクハラと言われそうなので黙っている。仕事帰りに飲みに誘うことも、ハラスメントと言われてしまいそうで誘えない。
・チームが一丸となって乗り越えなければいけない繁忙期に、平気で有給休暇を取ろうとする。チームの一員としての自覚を持ってほしいと言ったら、パワハラ扱いされそうで心配。
・部下との飲み会では、何を言ってもパワハラ・セクハラと言われそうなので黙っている。仕事帰りに飲みに誘うことも、ハラスメントと言われてしまいそうで誘えない。
・チームが一丸となって乗り越えなければいけない繁忙期に、平気で有給休暇を取ろうとする。チームの一員としての自覚を持ってほしいと言ったら、パワハラ扱いされそうで心配。
そもそも部下から上司へのパワハラというのは、存在するのでしょうか。答えは「部下から上司へのパワハラはある」です。
部下からのパワハラについて相談してくる人たちの多くは、40代から50代の中間管理職が中心です。その年代の人たちは、「自分たちが20代の頃はこうだった」と、組織や上司にいかに忠実に仕えてきたかを語ることが多いです。しかし、新入社員や20代の若手社員の面談をしていると、パワハラを含むハラスメントに対する考え方は、世代間で異なることを痛感します。
本記事では、部下から上司へのハラスメントについて、事例を交えて対応法などをお伝えしたいと思います。