
「10年後はどうなっていたいか」――キャリアを考えるとき、自然と将来を想像するかもしれない。しかし、転職を考えているなら、重要なのは過去だ。大手企業で人事・採用の責任者を務めた経験がある石倉秀明さんがその理由を解説する。
ダイヤモンド・オンライン会員限定で配信中の本連載をまとめた電子書籍『結果を出す人の仕事術』(石倉秀明著)の発売を記念して、特別編をお届けする。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部)
転職活動がうまくいく人が
必ずやっていること
転職を考え始めると、「10年後はどうなっていたいか」「将来どんなキャリアを歩みたいか」といった未来のことに意識が向く人は多いでしょう。キャリアプランを考えることは悪いことではありません。
しかし、転職を成功させたいなら、未来を考えるよりも重要なことがあります。それは、過去に目を向けることです。
当然のことですが、企業は新しく入社してくる人に「自社で活躍してほしい」と考えています。そのために面接などで自社で活躍できる人材かどうかを判断するわけですが、その際に判断の根拠となるのが、その人の過去です。
今までの会社で出してきた以上の成果を自社でも出せる人なのかどうかを見極めたい。であればおのずと、「今までの成果」と「どうやってその成果を出したのか」を深堀りしていくことになります(詳しくは『「面接では高評価→入社後イマイチ」な人を見抜く“たった1つのポイント”とは?』参照)。
つまり、面接で問われるのは過去、そして過去から身に付けたことや学んだこと。だからこそ、過去を振り返って言語化できるようにしておくことが何よりも重要なのです。
選考の過程で「10年後はどうなっていたいか」「将来どんなキャリアを歩みたいか」といったことについて聞かれるかもしれません。
こうした質問に対して、必ずしも詳細に具体的なビジョンを話せる必要はないと思います。むしろどれだけ理想像を語っても、過去の行動との整合性がなければ説得力は弱いです。
先に述べたような過去の実績をきちんと伝えることができれば、未来について仮に大した話ができなくても、減点にはならないはずです。
そもそも、優秀な面接官は未来の話をそんなに聞かないのではないでしょうか。過去の事実から判断するしかないことをわかっているからです。
大切なのは、これまでの歩みを客観的に整理し、言語化すること。未来については、過去、現在を踏まえて考えに一貫性が見られれば十分だと思います。
山田進太郎D&I財団 COO。2005年に株式会社リクルートHRマーケティング入社。その後、リブセンス、DeNA、起業などを経て2016年より株式会社キャスター取締役COOに就任(2021年より取締役CRO)。2023年10月の東証グロース市場上場に貢献し、2023年12月からは働き方について研究、調査を行うAlternative Work Labを設立し所長就任(現在も兼任)。FNN系列「Live Newsα」、AbemaTV「ABEMAヒルズ」レギュラーコメンテーター。著書に『これからのマネジャーは邪魔をしない。』(フォレスト出版)、『THE FORMAT 文章力ゼロでも書ける究極の「型」』(サンマーク出版)など。
ダイヤモンド・オンライン会員限定で配信中の連載『「40代で戦力外」にならない!新・仕事の鉄則』の人気記事をまとめた電子書籍『結果を出す人の仕事術』が発売中。