「もっと早く知りたかった…」故人の軽自動車、廃車にする前に! 自動車保険料が安くなる「等級引き継ぎ」とは?
相続は誰にでも起こりうること。でも、いざ身内が亡くなると、なにから手をつけていいかわからず、慌ててしまいます。さらに、相続をきっかけに、仲が良かったはずの肉親と争いに発展してしまうことも……。そんなことにならにならないように、『相続のめんどくさいが全部なくなる本』(ダイヤモンド社)の著者で相続の相談実績4000件超の税理士が、身近な人が亡くなった後に訪れる相続のあらゆるゴチャゴチャの解決法を、手取り足取りわかりやすく解説します。本書は、著者(相続専門税理士)、ライター(相続税担当の元国税専門官)、編集者(相続のド素人)の3者による対話形式なので、スラスラ読めて、どんどん分かる!【親は】子に迷惑をかけたくなければ、【子どもは】親が元気なうちに読んでみてください。本書で紹介する5つのポイントを押さえておけば、相続は10割解決します。
※本稿は、『相続のめんどくさいが全部なくなる本』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

故人の“優良ドライバー歴”を無駄にしないで!

もっとスピーディーに!
軽自動車のシンプルな名義変更
国税書夫(以下、国税) 軽自動車の相続手続きは、どうすればいいのでしょうか?
前田智子(以下、前田) 軽自動車の場合は、運輸支局ではなく特別民間法人「軽自動車検査協会」が窓口になります。こちらは普通車よりも簡単に手続きができて、遺産分割協議書などを添付する必要はありません。
名義変更後の税金と、
もう一つの大切な手続き
国税 名義変更をすれば、その後の税金の通知などは相続した人のところにくるのですか?
前田 はい。あとは自動車保険に入っていると思うので、その相続手続きも忘れないでください。
故人の優良ドライバー歴を継承!
保険料を節約する「等級引き継ぎ」のすすめ
無知相続(以下、無知) そっか、保険も切り替えておかないと。事故にあうと大変ですからね。
前田 このときにおすすめなのが、自動車保険の「等級」を引き継ぐ手続きです。自動車保険は、事故歴などに応じて等級が決まり、等級に応じて保険料が決まる仕組みになっています。なので、亡くなった被相続人が長年無事故だったら、保険料の割引が高くなっているはずです。
その優良な等級を相続人が引き継ぐことができるのです。等級が7等級以上であれば、基本の保険料よりも安いので、引き継いだほうがお得です。
あなたも対象?
保険料がお得になる等級引き継ぎの条件
☑ 亡くなった記名被保険者の配偶者
☑ 亡くなった記名被保険者の同居親族(6親等内の血族)
☑ 亡くなった記名被保険者の配偶者の同居親族(3親等内の姻族)
乗らない選択も
「永久抹消登録」で正しく手放す
無知 うちの実家の車は古いので、相続したらすぐに廃車にするかもしれません。
前田 車を完全に廃棄するには、「永久抹消登録」という手続きが必要です。
愛車との最後の別れ
廃車手続きの具体的なステップ
この手続きは、ナンバープレートを管轄する運輸支局で行います。そのためにまずやるべきことは、引取業者などに車を持ち込み、解体することです。このときに、ナンバープレートを受けとるとともに、解体に関する「移動報告番号」と「解体報告記録がなされた日」がわかる書面を受けとります。
あとは、車検証や戸籍謄本、印鑑証明書(発行後3カ月以内のもの)を実印とともに、運輸支局に持ち込みます。タイミングによっては、自動車重量税の還付を受けることができます。
自動車の相続手続きも必要? …普通車と軽自動車で違う車の名義変更
※本稿は、『相続のめんどくさいが全部なくなる本』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。