
休憩時間にパチスロに行くのは、いけないことでしょうか?飲酒や喫煙、政治活動はしてもOK?会社が、従業員の休憩時間の使い方を制限できるのか、意外と知らない勤務中の休憩時間ルールについて解説します。(特定社会保険労務士、大槻経営労務管理事務所 永野奈々)
昼休みにいつもパチスロに行くAさん
メーカーの営業部門で勤務をしているAさん(30代後半)は、昼の1時間休憩になると、自宅から持ってきたおにぎりを数分で食べ終えるとすぐ、いつも1人で外に出て行きます。実は、Aさんは職場から数分歩いたところにあるパチスロに入っていく姿を、他の従業員から何度も目撃されているのです。
休憩時間中の外出自体は何ら問題ありません。しかし、同僚からは「いくら昼休みとはいえ、会社からパチスロに行って戻って来るのはどうなのか」という声が上がっています。B部長も、顧客や取引先に見られる可能性を考えると、昼休み中のパチスロを控えてほしいと思っていました。
ある日、B部長はAさんに「昼休み中によくパチスロに行ってるよね?仕事の合間に行きたくなるほど、やりたくて仕方ないのか?」と聞いてみました。するとAさんは「休憩時間なんだから、何をしても自由ですよね?」と言い返し、全く問題を感じていない様子です。
このやりとりを偶然見ていた同僚が、一部始終を職場メンバーに伝えたことから、大きな話題に。とはいえAさんの主張も一理あり、原則として昼休みの過ごし方は自由であることは否定できません。
別の日にB部長はAさんに「できれば仕事の休憩中にパチスロは控えてくれないか」とお願いしてみました。が、「休憩時間中にパチスロを禁止するルールはないと思います」とAさん。B部長はそれ以上何も言えず、しばらくAさんの行動を見守ることにしました。
ところがその後、Aさんが休憩時間内に職場に戻ってこない事案が発生。きっとパチスロに夢中になって切り上げるのが遅くなったに違いないと思ったB部長は、ついに職場内ルールとして「休憩時間中のパチスロ禁止」を決めました。このルールは、あり/なし、どちらでしょうか?