「どうしてあんなヤツが評価されるんだ…!?」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

【NHK笑う革命で話題沸騰!】あなたは大丈夫? 職場でこっそり評価が落ちる「サイレント減点」の中身Photo: Adobe Stock

影でこっそり評価が下がる「サイレント減点」とは何か?

みなさんは、「サイレント減点」されたことはあるでしょうか? そもそもサイレント減点とは何かわからない、という人も多いと思います。

サイレント減点とは、「合理的に説明できないような、しょうもない文化やルール」に反してしまったことで、先輩・上司からそのまま注意されることなく、「静かに」先輩や上司から減点されてしまう悲劇のことです。銀行で言う「お辞儀ハンコ」(ハンコの向きを傾けて、上司に向けてお辞儀をしているように見せる風習)も、その代表的な一例です。

これだけ聞くと、「なんだメガバンクみたいな古い体質の企業だけのことか」と思う方が多いかもしれません。

しかし実はこのような「しょうもないルール」は、どんな職場にも存在します。

「フォント」ひとつで減点されていないか

たとえば、「資料のフォント」などがいい例です。自分では気にしていなかったけれど、上司に渡した資料を見て「なんでゴシック?」とほんの一瞬、眉をひそめられた経験がある人もいるかもしれません。

きっと、何も言われずに表向きは「OK」が出ることも多いでしょう。しかし、あなたの評価だけがこっそり下がっていた…ということが、職場では残念ながら起きてしまいます。

注意されずに、評価が下がる

昔なら、「この資料、フォント揃えようね」と先輩や上司が教えてくれたかもしれません。でも今は、そんなことを言うと「ハラスメント」と言われかねない時代になりました。その結果、“誰も何も言わない”のがスタンダードになってきています。

「昔なら注意してくれたこと」でも、今は注意されないことの代表例としては、他にも以下のようなものがあります。

・飲み会の幹事で手を抜く
・朝早いほうがよしとされている職場で、「遅く出社する」
・5分などの小さな遅刻をする

どれも、「小さなこと」だと思いますよね。でもこんな小さなことが、実はあなたの評価を決めているのです。

職場の評価は、感情で決まっている

多くの人は、「評価は数字で決まる」と思っているかもしれません。
しかし、実際の評価は「人の感情」で決まります。

・「なんとなく安心して任せられる」
・「ちょっとした配慮ができる人だな」
この“なんとなく”が、出世の明暗を分けています。

出世する人は「サイレント減点」を避ける

会社や部署の文化によって、この基準は異なります。

しかし、その文化・社風に逆らってしまったことによって発生した「評価の減点」は、定量評価には反映されませんが、「なんとなくのイメージ」=定性評価にはしっかりと反映されます。

職場の出世する人はこういった「サイレント減点」リスクがどこに潜んでいるのかに常にアンテナを張り、見極めています。

余計な減点を避けることが出世の近道であることは言うまでもありません。皆さんも、自分の職場の「サイレント減点リスク」を見極めてみてください。

(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)