中国の習近平国家主席は9月1日、中国で開かれた上海協力機構(SCO)首脳会議の場でロシア、インドとの結束を誇示し、ウクライナ戦争の終結を目指すドナルド・トランプ米大統領の取り組みの障害が何なのかを明確にした。ロシアの最大の支援者は中国政府だ。中国は、ウクライナ戦争でロシアが敗北することを望んでいない。米国の関心が欧州とアジアに分散されることを望んでいるからだ。香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの報道によると、それはまさに、中国の王毅外相が7月、欧州の外交政策責任者に伝えた内容だった。それこそが、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の戦時体制の支援に中国が注力している理由だ。プーチン氏の戦争を資金面で支えているのは、エネルギー輸出の収入だ。ロシアがウクライナに侵攻して以来ずっと、中国はロシア産エネルギーの最大の輸入国であり続けており、非営利の研究機関「エネルギー・クリーンエア研究センター(CREA)」によれば、その間の中国によるロシア産化石燃料の輸入額は3100億ドル(約45兆7000億円)以上に達している。昨年の両国間の貿易総額は、2020年の倍以上の2450億ドルになっている。