ザックジャパンが2014FIFAワールドカップ出場を決めた。出場は5大会連続であり、しかも予選通過一番乗り。この話題で日本は沸いているが、今はちょうどFIFAが定めた国際Aマッチデー期間に当たり、世界中で予選が行われている。開催国のブラジルと日本が決定しているため残る出場枠は30。ここに勝ち残るために、世界各国で激しい戦いが繰り広げられているわけだ。

 日本の出場が決まっていない段階では他所の予選のことなど気にしてはいられなかったが、これからは違う。各地区の予選がどうなっているか、ここでチェックしておこう。

日本が属するアジアBグループの
2位争いはオーストラリア優位か

 まず日本が戦ってきたアジア。予選の方式をおさらいしておくと、アジアに与えられた枠は4.5だ。最終予選に勝ち残った国は10で、それを5ヵ国ずつAとBふたつのグループに分けてリーグ戦を行い、各組上位2ヵ国、計4ヵ国が出場決定となる。そして3位になった国同士がホーム&アウェーのプレーオフを行い、ここで勝ち残ると南米予選の5位とプレーオフで出場を決める。

 日本はこのアジアBグループで1位になったわけだが、2位はまだ混沌としている。6月10日時点(以下同)の順位は2位がオマーン(勝点9)、3位がオーストラリア(勝点7)、4位がヨルダン(勝点7)、5位がイラク(勝点5)。5位のイラクも上位が負けることが条件になるが、残り2試合を連勝すれば2位になる可能性がある。

 そのイラクと11日に対戦するのが日本。可能性が残っている以上、イラクは必死で勝ちにくるし、日本だって1位通過国として下手な試合はできない。勝ち抜けを決めている分、主力を温存したり新たなフォーメーションを試す余裕はあるものの、手を抜いて負けたりしたら、紙一重の差で戦っている他の国から非難されることは確実。日本としては結構難しい試合なのだ。

 とはいえ現実的な2位候補は現在の2~4位の3ヵ国。2位のオマーンは勝点でリードしているが、残りは1試合。勝点7で並んでいるオーストラリアとヨルダンはともに2試合を残しており連勝すれば逆転できる。現状、有利なのはオーストラリアだろう。3ヵ国の中では地力に勝っているうえ、残り2試合をホームで戦えるからだ。オーストラリアとしては11日のヨルダン戦に勝てば出場権獲得に大きく前進することになる。