今週末、20回目のJ1開幕
過去の足跡を振り返れってみれば

 Jリーグがスタートして今年で20年目を迎える。J2は一週早く3月4日に開幕、J1は今週末の10日・11日に開幕する。プロサッカーリーグができて20年間、日本のサッカーはどのような進化を遂げたのか、そして区切りの年に当たる今季はどんな戦いを見せてくれるのだろうか。

 Jリーグができたことで得た最大の効果は、いうまでもなく日本サッカーのレベルが飛躍的に向上したことだ。Jリーグ以前はW杯に出場することなど夢のまた夢だったが、今では4大会に連続出場。強豪国とまでは言えないが、それに次ぐ実力国という位置づけで、出場して当たり前という見方をされるまでになった。ザックジャパンの戦いぶりに厳しい目が注がれるのもそのためだ。

 ヨーロッパのトップレベルで活躍する選手も多くなった。古くは奥寺康彦がドイツで(77~86年)、94年には三浦知良、98年には中田英寿がイタリア・セリエAでプレーして話題になったが、あくまで特別な存在。それが現在では長友佑都、香川真司らがビッグクラブのレギュラーとして当たり前のようにプレーしている。

 また、あまり知られていないが、世界のプロリーグに在籍する日本人選手は100人近くいる。南米のブラジルやウルグアイにもいるし、アメリカ、オーストラリアなどで技を磨く選手もいる。アジアのタイ、シンガポールなどでは助っ人外国人扱いでプレーしている選手も少なくない。それだけ日本人サッカー選手の実力が世界で認められているということだ。

 レベルアップにともない選手を取り巻く環境も改善された。今では冬でも芝が生えそろったグラウンドが各地にある。各クラブではトップ選手はもちろん下部組織の少年たちも、その環境でトレーニングし、技術向上に励んでいる。