トランプ米政権が中国との難しい貿易協議をスウェーデンで7月に始めようとしていた時、対中競争問題を主に扱う米下院委員会のスタッフには不可解な問い合わせが相次いだ。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。複数の業界団体、法律事務所、米政府機関が、同委員会のジョン・ムーレナー委員長(共和、ミシガン州)から送られたように見える電子メールを受け取った。この電子メールは、米議員が中国政府を標的にしようとしている制裁案について意見を求める内容だった。電子メールには「皆さんの見識は不可欠です」と書かれ、添付された法案の草案を検討するよう求めていた。だが委員長はなぜ政府機関以外のアドレスから送信したのだろうか。事情に詳しい関係者によると、これは中国政府と関連があるとされる一連のサイバースパイ活動の最新の事例で、ドナルド・トランプ大統領の貿易交渉に意見を提供する組織に対してスパイウエア(パソコン利用者の承諾なしに情報を集めるソフトウエア)を仕掛けるのとタイミングを合わせていた。
中国ハッカー、米下院委員長装いメール送信 7月の貿易協議控え
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