「やっぱり新米はうまい」と夫…食べているのは備蓄米、本当のことを言うべきか、言わざるべきか写真はイメージです Photo:PIXTA

言葉は頼もしいパートナー。あなたに力や勇気や幸せを与えてくれます。「大人の言い換え力」に磨きをかけて、日常のピンチを華麗に切り抜けたり、果敢に立ち向かったりしましょう!(クイズ制作/石原壮一郎)

クイズ

 実家から新米が届いた。夫も「ありがたいね」と喜んでいる。ただ、翌日はまだ少し残っていた備蓄米を炊いた。ところが、夫は「やっぱり新米はうまいね!」と喜んでいる。

 あまりにおいしそうにパクパク食べているので、今さら「今日のは備蓄米なの」とは言いづらい。さて、どうしたものか?

(A)「そ、そうね。やっぱり新米はおいしいよね」と話を合わせておく
(B)言いづらさを果敢に乗り越えて「実は……」と真実を告げる
(C)「なんだか新米に申し訳ない気がしてきちゃった」と目を伏せる

正解は……

A

◎ (A)「そ、そうね。やっぱり新米はおいしいよね」と話を合わせておく
△ (B)言いづらさを果敢に乗り越えて「じつは……」と真実を告げる
× (C)「なんだか新米に申し訳ない気がしてきちゃった」と目を伏せる

解説

 真実を伝えることが、常に「最適解」とは限りません。本当は備蓄米なのに、夫はすっかり新米だと思って食べています。もしかしたら、喜んでパクパク食べているのは、新米を送ってくれる実家を持つ妻への感謝を示す意図もあるのかもしれません。

 ここは勇気を振りしぼってAのように話を合わせるのが、夫に対するやさしさと言えるでしょう。

 真実を告げるBもそれはそれで勇敢な対応ですが、実際に新米を食べるときにこの日の出来事が脳裏にチラついて、おいしさを心から堪能できなくなりそうです。

 無駄に思わせぶりなCは、中途半端に逃げているズルい対処。しかも、この流れで真実を伝えたら、「味音痴なヤツに新米を食べる資格はない」という意味になってしまいます。

石原壮一郎・コラムニストのプロフィール