「どうしてあんなヤツが評価されるんだ…!?」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

「サイレント減点」知っていますか?
突然のゲリラ豪雨。駅までの道が冠水し、電車も遅延。そんな日は、「今日はリモートにしようかな」と判断する人も多いでしょう。
でも、職場にはこういう日でも“なぜかちゃんと出社している人”がいます。
そして不思議なことに、そういう人のほうが、なぜか出世していく傾向があるのです。
実はこの事象には「サイレント減点」が関わっています。今回はこれについて考えていきましょう。
出世は「成果」ではなく、「評価」で決まる
たとえば、あなたの上司が次のような価値観を持っていたとしましょう。
「俺が若いときは、大雨でも出社するのが当たり前だった」
昔はこういった【謎文化】が当たり前として残っていました(特に銀行であれば、法律で「窓口を開けないといけない」と決まっているので、誰かしらは出社しないといけません。そういった業種柄の事情があることもあります)。
このとき、部下が大雨を理由に出社を見送ったらどうなるでしょうか。きっと上司は表向きには「安全第一でいいよ」と言うでしょう。でも心のなかでは、「根性がないな」「大きな仕事は任せられないな」と減点してしまう可能性があります。これは人間であれば、ある程度仕方ない感情ではないかと思います。
これが「サイレント減点」です。昔は半ば強制されていたことでも、今の時代には合っていないから、言葉では何も言われない。こうして、評価だけがこっそり確実に下がっていく現象です。
「良い・悪い」ではなく、そういう現実がある
僕が言いたいのは、「ゲリラ豪雨で出社すべきか、そうでないか」という話ではありません。
むしろ、「職場の評価は、こういった感情で決まりがちである」「そういった現場が、今も世の中に存在している」ということです。
職場で出世していく人はこういった「サイレント減点」リスクがどこに潜んでいるのかに常にアンテナを張り、見極めています。
余計な減点を避けられれば、出世の確率が高まります。「そこまでやる必要ある?」「そんなことで評価が上下するなんて、意味わからない」と思う方もたくさんいるでしょう。
皆さんの職場にも、こういった【謎文化】は残っていると思います。改めて、みなさんの「サイレント減点リスク」を見極めてみてください。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』に関する書き下ろし原稿です)