最近は雑誌休刊のニュースが多いと思いませんか?
9月に入ってから、月刊現代、ロードショーといった伝統ある雑誌や、幾つかのファッション誌の休刊が発表されました。加えて、今年になってから有名な雑誌だけでも、広告評論、主婦の友、週刊ヤングサンデー、PLAYBOY日本版などが休刊を決定しました。
テレビ局と新聞社の収益も急速に悪化
「デジタル×インターネット」の猛威
本連載の第3回では音楽産業を例に、デジタルとインターネットがクリエイティブ産業に及ぼす影響の大きさを説明しました。しかし、これらの雑誌休刊のニュースから明らかなように、デジタルとインターネットは、音楽などのコンテンツに限らず、マスメディアにも大きな影響を及ぼしているのです。
実際にデータを見てみますと、書籍は1996年が、雑誌は1997年が売上のピークで、それ以降今日に至るまで減少傾向を辿っています。その結果、例えば2007年の雑誌の売上は、ピーク時の75%程度にまで減少しました。10年で市場が4分の3にまで縮んでしまったのです。
ちなみに、音楽CDの売上のピークは1998年でした。1996年から1998年というと、インターネットや携帯電話が急速に普及を始めた頃です。即ち、インターネットや携帯の普及とコンテンツやマスメディアの市場縮小はほぼ同時期に始まっており、何らかの因果関係があると考えるべきです。
そして、コンテンツやマスメディアの市場規模縮小の要因としては、違法コピー/ダウンロードの問題も大きいのですが、それに加えて、1)ユーザの動向の変化(情報や知識の習得方法の変化、余暇の過ごし方の変化)2)ユーザの変化を踏まえた広告主の行動パターンの変化の二つがあると考えるべきではないでしょうか。