シンガポール国立大学(NUS)リー・クアンユー公共政策大学院の「アジア地政学プログラム」は、日本や東南アジアで活躍するビジネスリーダーや官僚などが多数参加する超人気講座。同講座を主宰する田村耕太郎氏の最新刊、『君はなぜ学ばないのか?』(ダイヤモンド社)は、その人気講座のエッセンスと精神を凝縮した一冊。私たちは今、世界が大きく変わろうとする歴史的な大転換点に直面しています。激変の時代を生き抜くために不可欠な「学び」とは何か? 本連載では、この激変の時代を楽しく幸せにたくましく生き抜くためのマインドセットと、具体的な学びの内容について、同書から抜粋・編集してお届けします。

先進国では、
120歳くらいまで生きる人が続出?
我々の人生は間違いなく長くなる。
これは医学の発展と、その周辺でそれを支えるすべての科学技術の恩恵だ。
予防のための知見も治療も創薬も同時にさらに発展する。人類の平均寿命は100歳近くになり、先進国では120歳くらいまで生きる人が続出するだろう。
人生設計の大幅な見直しが必要だ。生きていくためには、衣食住だけで相当のコストがかかる。
長い人生を楽しむためのエンタメや趣味のコストもかさむ。
楽しく生きるためには、健康寿命を延伸して死ぬまで世の中の役に立ち、価値を生み続けるしかない。
AIを伴走者として
使いこなす人材が必要
逆に、高齢になっても生産年齢と同じように働ける人が増えれば、年金や医療費は削減でき、生産は増加し、国家財政は好転して税金は減るだろう。
そのためには、今後はAI(人工知能)に指示を出し、AIを伴走者として使いこなす人材にならないといけない。
人類が誕生して以来、活版印刷や電気、蒸気機関や自動車、インターネットなど、様々な科学技術が生まれてきた。そして、それらの技術が普及する過程において、多くの失業者を生み出した。
しかし、その後、世の中はどうなったかというと、少し時間が経ってみると、蒸気機関や活版印刷を使いこなす莫大な新しい仕事を生み出してきたのだ。
(本稿は『君はなぜ学ばないのか?』の一部を抜粋・編集したものです)
シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院 兼任教授、カリフォルニア大学サンディエゴ校グローバル・リーダーシップ・インスティテュート フェロー、一橋ビジネススクール 客員教授(2022~2026年)。元参議院議員。早稲田大学卒業後、慶應義塾大学大学院(MBA)、デューク大学法律大学院、イェール大学大学院修了。オックスフォード大学AMPおよび東京大学EMP修了。山一證券にてM&A仲介業務に従事。米国留学を経て大阪日日新聞社社長。2002年に初当選し、2010年まで参議院議員。第一次安倍内閣で内閣府大臣政務官(経済・財政、金融、再チャレンジ、地方分権)を務めた。
2010年イェール大学フェロー、2011年ハーバード大学リサーチアソシエイト、世界で最も多くのノーベル賞受賞者(29名)を輩出したシンクタンク「ランド研究所」で当時唯一の日本人研究員となる。2012年、日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。ミルケン・インスティテュート 前アジアフェロー。
2014年より、シンガポール国立大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授としてビジネスパーソン向け「アジア地政学プログラム」を運営し、25期にわたり600名を超えるビジネスリーダーたちが修了。2022年よりカリフォルニア大学サンディエゴ校においても「アメリカ地政学プログラム」を主宰。
CNBCコメンテーター、世界最大のインド系インターナショナルスクールGIISのアドバイザリー・ボードメンバー。米国、シンガポール、イスラエル、アフリカのベンチャーキャピタルのリミテッド・パートナーを務める。OpenAI、Scale AI、SpaceX、Neuralink等、70社以上の世界のテクノロジースタートアップに投資する個人投資家でもある。シリーズ累計91万部突破のベストセラー『頭に来てもアホとは戦うな!』など著書多数。